2023 Fiscal Year Research-status Report
新型コロナ禍による救急活動のストレス:パンデミックに備えたストレス対策の提案
Project/Area Number |
22K03027
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
畑中 美穂 名城大学, 人間学部, 教授 (80440212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 豊 筑波大学, 働く人への心理支援開発研究センター, 主幹研究員 (60173788)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 新型コロナ(COVID-19) / 消防職員 / 救急隊員 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
長期化する新型コロナ禍における救急現場のストレスや心理的負担の実態とその規定因を明らかにすることを目的として、以下の2つの調査を完了した。 (1)救急現場への出場頻度が高い職員や救急活動を管理する職員(計12名)を対象に予備的面接調査を実施し、新型コロナ禍のストレスの変化や現場の工夫、長期的な影響と残っている課題などを検討した。 (2)予備的面接調査をもとに設定した調査項目を用いて、全国の消防職員を対象としたオンライン調査を実施し(有効回答者2244名)、第六波(2022年1月)以降の救急活動におけるストレスや、実施されている対策および要望する対策などを尋ねた。調査の結果、資器材の在庫状況に関わる不安など、流行初期から改善された内容も一部確認されたが、感染不安や搬送の長時間化、業務過多の問題など、救急現場の様々な負担やストレスは、流行当初から2年以上経過した第六波以降においても軽減されておらず、悪化していた。また、実施されている対策と現場職員が望んでいる対策に解離がみられ、必要な対策が進んでいないことも確認された。 上記の調査結果についてプレスリリースを行い、新型コロナ禍対応に関して残存する現場の問題を改善し、今後のパンデミックに備えるための対策と提言について発信した。研究成果は、新聞2紙(毎日新聞2023年10月26日東京版朝刊、中日新聞2023年12月8日朝刊)に取り上げられた。 加えて、翌年度(令和6年度)に実施する消防本部に対する面接調査のために、調査票を作成し、調査協力依頼を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ流行期(令和4年7月~9月の第七波、および令和4年10月下旬~令和5年1月上旬の第八波)の影響のため、全国の消防職員を対象としたオンライン調査の実施が約1年遅れとなり、その後の消防本部調査の開始も当初計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
消防本部調査を可能な限り早く完了する。また、本年度の後半には、メンタルヘルス対策の専門家や実践家に対する面接調査を実施する。
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Causes of Carryover |
(理由)新型コロナの流行(第七波、第八波)の影響でオンライン調査の実施が遅れたために、本年度に実施予定であった消防本部に対する面接調査の開始が遅れ、それに係る調査出張旅費、および面接調査の録音記録の書き起こし作業のためのRA雇用費用が発生しなかった。 (使用計画)令和6年度の前半に消防本部に対する面接調査を実施する予定であり、本年度計上していた調査出張旅費および面接調査の書き起こし作業を依頼するRAへの謝金の予算執行を進める。
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Remarks |
「新型コロナ流行下の救急活動に関する調査:現場の実情と今後の課題」連合・国際シンポジウム「今後の感染症対策と公務員の労働基本権を考える」基調講演(品川グランドセントラルタワー)2023年10月 新聞報道「消防職員の処遇改善を 日韓シンポ コロナ激務で意見交換」毎日新聞(東京版朝刊2023年10月26日)、「コロナ感染不安 なお9割 患者搬送の消防職員 第6波以降」中日新聞(朝刊2023年12月8日)
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Research Products
(4 results)