2023 Fiscal Year Research-status Report
Why organizational crime causes: The dark side of self-control
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22K03030
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
中川 知宏 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (80438556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 洋一郎 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (70454395)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 組織体犯罪 / マルチプロフィール法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究は,マルチプロフィール法におけるリーダーシップの構成要素を検討することを目的としている。本手法は,公に表明しにくいような行動意図(例えば,組織体犯への関与)を検出するするために開発された。本研究では,組織体犯罪に関する文脈の中で,マルチプロフィール法を用いて,適切なリーダーを選択するシナリオを参加者に提示する。参加者には2人のリーダー候補のポジティブ要素とネガティブ要素を2つずつ提示し,最後に組織の問題解決手段として法に反してでも問題を解決しようとする特徴をランダムに提示する。 マルチプロフィール法では,特定の文脈に適したリーダーシップの構成要素が重要である。したがって,組織内で起きた問題(競合他社に利益を奪われ,会社の経営を圧迫している)解決時に適切なリーダーを選択するために,リーダーシップに関する適切な要素を設定する必要がある。Yukul(2012)は従来のリーダーシップ研究をもとに,効果的なリーダーシップ行動を課題志向,関係志向,変革志向,外部ネットワーク4つのカテゴリーに分類しており,これらをリーダーシップ要素として採用する。実際にはこれに加えて,問題解決手段の要素を含めて提示するが,前提として,4要素の組み合わせによってリーダーAとBの選択率に差が生じないかどうか検討する必要がある。そこで,まずは予備調査として,リーダーシップ要素の組み合わせがリーダーの選択に影響を及ぼさないかどうかを確認することとした。現在,データを取得中であり,取得完了後に分析を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マルチプロフィール法に採用するリーダーシップ要素が非常に多様であり,どの理論的背景に基づいて,選定するかということを検討するために予定していた以上の時間が費やされた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,現在取得中のマルチプロフィール法に関するデータを分析し,リーダーシップ要素の配置によってリーダーの選択率に差がないということを確認したうえで,本調査を実施する。本調査では,組織体犯罪場面に関するシナリオ(競合他社に利益を奪われ,会社の経営を圧迫している)を提示する。参加者は社内で起きている問題を解決するにあたって2人のリーダーの内,どちらのリーダーを選択するかマルチプロフィール表に基づいて選択する。
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Causes of Carryover |
2023年度中にマルチプロフィール法に関する調査を実施する予定であったが,調査準備が当該年度に間に合わず,繰越すことになった。繰り越した助成金については,2024年度の調 査費用として主に使用する予定である。
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