2022 Fiscal Year Research-status Report
ICTを用いた学習塾の学習指導・心理支援の実態と効果的活用
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22K03048
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Research Institution | Saitama Gakuen University |
Principal Investigator |
大川 一郎 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (90241760)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 学習塾援 / ICT / 学習指導 / コーチング / 心理支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は急速に進んできた学習塾のICT化とそれに伴う心理支援の変化に焦点をあてるものである。本研究の計画は大きく4つに分かれるが、新型コロナの状況が和らいだこともあり、当初想定していた計画を前倒ししながら、今井氏の研究協力のもと、研究を推進していった。 まず、これまでのEdTechの流れを総括し、塾のICT化の現状を明らかにする(目的1)ために、塾業界専門出版社最大手である全国私塾情報センターの協力を得ながら、学習塾業界において現時点で存在するICTコンテンツの整理を行った。さらに、それらの中から塾の心理支援に活用・援用できるコンテンツを選別した。最終的に89のICTコンテンツに整理された。 この中で、心理支援にも活用できると思われるコンテンツは42であった。さらに、これらのコンテンツの開発業者のプロバイダー18名に、開発の背景にある視座等についての半構造化面接をおこなった。これまで、学習塾に関するICTに関わるコンテンツの分類を網羅的におこない、なおかつ。心理支援の活用、及び、プロバイダーの開発理念等にまでも踏み込んで明らかにした研究はなかった。学校外教育のみならず、ICT化を進めつつある学校教育にも本研究で得られた知見は有用であろう。 本年度は、さらに目的2である 「塾のICT化における学習指導・心理支援業務の変化」の検討にまで踏み込んで、研究を進めていった。具体的には、21名の学習塾の幹部職員に対して半構造化面接を行い、インタビューの内容を逐語化し、KJ法を援用して分析を行った。結果として、ICT化のメリット・デメリット、コーチング、ICT化による環境変化・心理変化等における変化が明らかになった。さらに、これらの結果に基づき、質問紙を作成し、塾職員に対するwebによる質問紙調査を行い、836名の協力を得ることができた。結果については、現在、分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の第一の目的は、これまでのEdTechの流れを総括し,塾のICT化の現状を明らかにすることであった。このために、塾業界専門出版社最大手である全国私塾情報センターの協力を得ながら、学習塾業界において現時点で存在するICTコンテンツの整理を行った。さらに、それらの中から塾の心理支援に活用・援用できるコンテンツを選別した。最終的に89のICTコンテンツに整理された。その上で、主だったICTツールの開発者18名にインタビューを行った。なお、さらに、コンテンツ開発会社へ出向き、実際にコンテンツを起動させながら,心理支援機能を中心に具体的内容、その評価、課題についてインタビューを行い、インタビュー内容についての分析をおこなった。2022年度の研究について当初の予定を達成できた。 新型コロナの状況が和らいできたこともあり、本年度は、2番目の目的である塾のICT化における学習指導・心理支援業務の変化を導入側である塾職員の視点から明らかにするための研究を前倒ししておこなった。具体的には、導入側である塾の幹部職員21名に半構造化面接を行い、インタビューの内容を逐語化し、KJ法を援用して分析を行った。これらの結果に基づき、質問紙を作成した。調査協力について、全国私塾情報センター等の協力を得ながら、各塾に対して、オンライン、オンサイトで研究目的と内容の説明をおこなった。その上で、協力を得られた塾職員に対するwebによる質問紙調査を行い、836名の協力を得ることができた。分析については、2023年度の課題となる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、新型コロナの状況が和らいできたこともあり、当初の予定に加えて、2番目の目的であった塾のICT化における学習指導・心理支援業務の変化を導入側である塾職員の視点から明らかにするための研究を前倒ししておこなった。具体的には、導入側である塾の幹部職員21名に半構造化面接を行い、インタビューの内容を逐語化し、KJ法を援用して分析を行った。これらの結果に基づき、質問紙を作成した。調査協力について、全国私塾情報センター等の協力を得ながら、各塾に対して、オンライン、オンサイトで研究目的と内容の説明をおこなった。その上で、協力を得られた塾職員に対するwebによる質問紙調査を行い、836名の協力を得ることができた。 2023年度は、目的2の達成のためにおこなったこれらの研究データの整理、分析をおこなっていく。具体的には、学習塾におけるICT化の実態、変化の実態をおさえた上で、塾のICT化における学習指導・心理支援業務の変化が塾の職員にどのような心理的変化をもたらしたのかということについてのモデルの構築を行う。さらに、必要の応じて、塾職員に対して、さらに、論点を絞った上での、追加の半構造化面接をおこなっていく。
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Causes of Carryover |
当初、全国の学習塾幹部職員へのインタビュー、調査依頼、及び、学会発表等のために相応の金額の旅費を想定していた。結果的に、先方の要望によりZoomによるオンラインでの面談が中心となったことと、学会等での研究発表を次年度に廻したことで、予算に余裕がでてきた。そのこともあり、アンケート調査等による研究の推進を前倒しでおこなった。なお、アンケート調査等の協力者への謝金として、amazonのギフト券を購入した。
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