2023 Fiscal Year Research-status Report
Explaining intra-individual variability in well-being: An idionomic approach
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22K03054
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山形 伸二 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (60625193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雄介 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (20615471)
岡田 謙介 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (20583793)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 幸福感 / パーソナリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,成人期の幸福感の中期的個人内変動とその規定要因としてのパーソナル・プロジェクトの特徴,およびその個人間の差異を説明するパーソナリティ特性,価値観,強み等の特性的要因を明らかにすることを目的とする。
2023年度は,前年度に引き続き,主に主観的・心理学的幸福感とそれを規定する要因に関するレビューを行い,特にパーソナリティ特性,価値観,パーソナル・プロジェクト,縦断的データ分析手法に関する検討を行った。そのうえで基礎的分析として,1)ネットワーク分析により,気質特性(BAS/BIS)の下位特性間の環境を通じた相互影響関係を検討した結果,報酬・罰を問わず強化感受性を高めて快・不快情動に影響を与えるような環境要因の存在が示唆された。次いで,2)下位特性よりもさらに具体的な,項目レベルの行動的差異であるパーソナリティ・ニュアンスに着目し,同様のネットワーク分析により環境を通じた相互影響関係の検討を行った。その結果,BAS/BISのニュアンスのうち,駆動やBISの特定のニュアンスの間で理論上予測されない関連性が検出され,報酬や罰のへの反応性よりも予期において感受性を調整するような環境要因の存在が示唆された。また,3)多様な個人差に関する行動遺伝学研究の持つ理論的示唆について考察を行った。さらに,4) 主観的幸福感と関連の強いポジティブ感情の縦断的変化についての日米比較,5) ベイズ的手法に依拠して価値観等に関する調査回答の誠実性を高める方法についての実験的検討,を行った。
以上の成果は,1本の論文,2冊の書籍 (編著一冊,分担執筆1冊),2つの国際学会,4つの国内学会において発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
縦断的分析法について検討を行う中で,遅延効果を検討するモデルの信頼性に関して再検討を行う必要が生じたため,調査計画の再検討を行った。このため,調査の実施に当初より遅れが生じているものの,2024年度中に調査を行う準備は整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きレビューおよび測定法に関する検討を進めた上で,2024年度中に調査を実施する予定である。 検定力分析の結果に基づき,N = 500前後のオンライン調査を行い,得られたデータにマルチレベルSEMを適用し,主観的・心理学的幸福感の個人内変動とその規定要因,およびその個人間差を説明する特性要因について検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
先述の通り,調査の実施が遅れているために,調査費用を2024年度に繰り越した。
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Research Products
(9 results)