2022 Fiscal Year Research-status Report
Development and effectiveness of the program of reducing depression for children through effective role-sharing between home and school
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22K03083
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
小関 俊祐 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 准教授 (30583174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 大輔 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (20631089)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ストレスマネジメント / 抑うつ / 児童 / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,家庭と学校が効果的に役割分担を行いつつ取り組む児童の抑うつ低減プログラムを開発し,その有効性を検討することであった。従来の児童の抑うつに対する介入研究は,一次予防が主であり,学級集団などを対象としたユニバーサルデザインが中心であった(小関,2010;佐藤ら,2013;Stice et al., 2007など)。それに対して,抑うつの症状を示す児童に対しては,個別の事例として扱われることが多く(David-Ferdon et al., 2008など),介入手続きの定式化は行われてこなかった。しかしながら,子どもの自殺の増加などを考慮すると,抑うつ低減のための介入方略の提言は急務であると考えた。 このような観点から,2023年度は学校で実施する抑うつ低減プログラムの試行を中心に研究を推進した。具体的には,関東地域の小学校全学年全クラスを対象とし,ソーシャルスキルトレーニング,問題解決訓練,行動活性化,認知再構成法の手続きを用いた抑うつ低減プログラムを実施した。そのうち,小学5年生と6年生にはアンケート調査への回答を求めた。これらの手続きによって,認知行動療法に基づく抑うつ低減プログラムの構成要素の検討を行った。さらに,家庭で実施する抑うつ低減プログラムの検討もあわせて行った。小学校を介入の場としつつ,ペアレントトレーニングという形で保護者の参加を募り,家庭での子どもへの関わり方について示す形で介入手続きの検討を行った。 これらの成果の一部は,2022年度に開催された国内外の学会ですでに発表を行っている。加えて,2023年度にも複数の学会での成果の発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標であった,家庭で実施する抑うつ低減プログラムの試行と学校で実施する抑うつ低減プログラムの試行は達成することができた。その一方で,介入の有効性を検討するための質問紙調査のデータが十分に確保できず,小学5年生と6年生を対象としたデータの収集に留まった。同様に,保護者を対象とした介入においても,保護者からのデータは収集することができたが,子どもからのデータをあわせて収集することができなかった。 以上の理由から、上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究活動によって,おおよそのプログラムの概要を確認することができた。これらを基とし,2023年度は家庭と学校の機能的な連携による抑うつ低減プログラムの開発と実施を行っていく。あわせて,これまで得られた成果を公表することで広く社会に発信するとともに,さまざまな意見を取り入れてブラッシュアップしていく。
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Causes of Carryover |
52nd European Association for Behavioural and Cognitive Therapiesへの現地参加を計画し、その費用を計上していたが、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえてオンライン参加としたため、その分の経費の差異が発生した。その分、国際学術誌への成果の投稿を計画し、その経費に充当する予定である。
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Research Products
(10 results)