2022 Fiscal Year Research-status Report
児童発達支援と保育等集団場面における社会性発達支援の効果検証
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22K03107
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
浜田 恵 名古屋学芸大学, ヒューマンケア学部, 准教授 (00735079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 美保 帝京大学, 文学部, 教授 (10536212)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 社会性発達支援 / 児童発達支援 / 保育等集団場面 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(ASD)に代表される、社会性発達支援を必要とする幼児に、いかに発達促進的で効果のある支援を行うかは重要な課題である。本研究ではASD幼児に対して共同注意と遊びの発達を促進する介入の効果検証を行うこと、児童発達支援における個別支援から保育等集団場面への橋渡しをすることで連続性のある関わりを行い子どもの適応を検証することを目的としている。 [研究1] 今年度は、対照群となる2カ所の児童発達支援事業所において、参加者を募集し、調査を実施した。具体的には、幼児本人への行動観察検査としてADOS-2、SPACE、発達検査として新版K式発達検査、適応行動の測定として保護者に対してVineland-II適応行動尺度を行った。視線計測装置Gazefinderも予定していたが、機械の不具合により実施ができなかった。2つの事業所で合計11名の参加者が得られ、各参加者に介入前・介入後に相当する期間として、4ヶ月程度の間を空けて上記の検査を行った(ただし、ADOS-2は自閉スペクトラム症の重症度を見るためであったため、介入前の1回だけ行った)。検査以外は事業所での通常の支援介入を行なってもらった。今後は、介入群となる事業所(社会性発達支援を行う事業所)における効果検証が必要である。 [研究2] 今年度は、保育等集団場面における支援方法の検討のために1組の親子および親子が通う児童発達支援事業所・保育園の協力を得て、保育園を5回訪問した。事業所が保育園において集団生活の助言を行うために、必要と思われる事項について、実際に幼児を支援しながら検討した。全6回程度の内容について草案を作成することができた。今後はより多くの親子の協力を得て実際にプログラムの内容として実施し、効果の検証が必要である。また、保育士対象の勉強会を立ち上げた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[研究1]について、介入群の検証に至ることができておらず、予定より遅れている。ただし、[研究2]に関しては、実際に保育園に訪問し、園の先生方と相談することができたこと、また、保育士対象の勉強会を開始することができたことから、予定以上に進んでいる。したがって、このように評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、介入群となる事業所(社会性発達支援を行う事業所)における幼児の社会性発達支援の効果検証が必要である。対象となる事業所とは実施の期間等について相談を進めている。また、保育等集団場面における介入は、現在、2名の親子から園の訪問の許可が得られているため、事業所と保育等集団場面の介入プログラムについてより精緻化していく予定である。
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Causes of Carryover |
謝金等の支払いや訪問に使い切らなかった分が少し残ったため。翌年度の介入に用いる玩具の購入等に用いる予定である。
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