2022 Fiscal Year Research-status Report
身体症状症に対する認知行動療法の統一プロトコルの実施可能性の検討
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22K03117
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
豊田 彩花 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 研究生 (30838694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正哉 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 部長 (20510382)
大江 悠樹 杏林大学, 医学部, 助教 (40722749)
細越 寛樹 関西大学, 社会学部, 教授 (80548074)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 身体症状症 / 認知行動療法 / 診断横断的認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、身体症状症に対して、うつと不安に対する診断横断的な認知行動療法である統一プロトコル(UP)の安全性と有効性を検証することである。 初年度である今年度は、当初の計画通り身体症状症に対する認知行動療法のレビューを行った。具体的には、研究数、介入方法、UPとの共通点や差異について、身体症状症に対するCBTの無作為化比較試験17本のレビューをし、介入方法、週数、セッション数、介入技法の整理を行った。 レビューの結果、介入方法としてUPには、身体症状症に対するCBTにおいて使用されてきた対人関係技法を除くすべての技法(心理教育、行動的技法、認知的技法、感情的技法、曝露、身体的技法、行動実験、マインドフルネス、宿題)が含まれていた。実施週数は12週未満が3本、12週以上が14本、セッション数が10回未満は9本、10回以上は8本であった。実施時間50分未満が3本、50分以上が14本であった。このことから、UPも身体症状症に対して応用可能であり、一定の効果が期待できるものと推察された。ただし、先行研究では実施回数10回以下が半数を占めていたのに対し、UPは平均16回と相対的に回数が多いため、臨床実践の際に生じる参加者側、実施側の時間的なコストなどについては今後も更なる検討が必要と考えられる。 UPをベースにしたプログラムやマテリアル整備については、研究代表者の産前産後休暇と育児休業取得に伴い、研究を中断したため実施できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、初年度の計画である身体症状症に対する認知行動療法のレビューを行った。プログラムやマテリアル整備については、2022年度後半より研究代表者が産前産後休暇と育児休業取得に伴い、研究を中断したため現在研究を中断している。以上の理由により、プログラムやマテリアル整備は進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の年度途中に、研究代表者が育児休業からの復帰を予定している。復帰後に、これまでのナラティブレビューに追加して、新たな介入となるためシステマティックレビューを追加して実施する。具体的には、身体症状症に対してCBTの何が効いているのか、共通基盤の有無について情報収集し、プログラムとマテリアルの見直しを行った上で、臨床実践への基盤をつくる。
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Causes of Carryover |
2022年度の年度途中に、研究代表者が産前産後休暇と育児休業取得に伴い、現在の研究を中断し、研究計画の修正をする必要が生じたため。
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Research Products
(1 results)