2022 Fiscal Year Research-status Report
Clinical trial of compassion focused therapy for at risk mental state
Project/Area Number |
22K03120
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
西山 志満子 富山大学, 学術研究部教育研究推進系, 講師 (70649582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 努 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (60345577)
樋口 悠子 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (60401840)
笹林 大樹 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (80801414)
濱家 由美子 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (80622422)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | コンパッション・フォーカスト・セラピー / At Risk Mental State / 早期介入 / 転帰 |
Outline of Annual Research Achievements |
少子高齢化問題をかかえるわが国において、国の将来を支える若者の精神的健康は重要な課題である。しかし、精神疾患の好発期は10代、20代であり、就学・就労困難など疾病負荷による生活への影響は大きい。精神病の発症リスクが切迫しているAt Risk Mental State (ARMS)の症例には副作用のリスクが少ない認知行動療法など心理・社会的治療を行うことが推奨されているが、ARMSでは精神病様症状だけでなく様々な非特異的症状を呈するため、単一病理モデルによる治療は不十分である。そこで本研究では、脱病理モデルによる統合的心理療法であるCompassion Focused Therapy (CFT)をARMSの若者むけに開発し、その効果を検証することを目的とした。 本研究では、①ARMS患者では健常者と比較してどのような病態が認められるのか、②CFTを受けることで、既存の治療と比べてその病態がどこまで改善するのかを、生物・心理・社会的側面から調べる。①のリサーチクエスチョンは、ベースラインにおいて年齢と性別をマッチングさせた健常群のデータと比較することで明らかにする。②については、ARMS患者を対象に、単施設、評価者盲検、並行群間優越性パイロット試験を行う。 本研究で行う半構造化面接法による症状評価は、精神症状に対する専門的知識と面接技術を要するため、評価者の質を担保する目的で、評価に携わる前に、実地トレーニングの場を設けた。また、富山大学附属病院神経精神科に通院中でARMSの告知を受けている患者を対象にリクルートを行い、第1グループへのCFTセッションを開始した。さらに、比較対象となるARMS通常治療群のリクルートおよび検査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響でオンライン診療を選択された、あるいは遠方から家族の送迎で通院されているため週1回のセッションに参加することが難しいなどの理由で、研究参加者を確保することが難しい状況があり、当初の予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
単一施設で参加者を確保していくことが難しい状況が続く場合には、近隣の精神科クリニックなどに周知し、紹介ルートを拡げる。 CFTへの参加を希望しているが、週1回の通院が困難なために参加を見合わせる方に対して、今後はオンラインによるCFTを提供し、その効果を検討する方策も検討する。
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Causes of Carryover |
参加者リクルートが当初の予定よりも遅れたため、人件費や謝金が、予定額よりも少額となった。 現在、リクルートを強化しており、次年度使用額については人件費や謝金にあてる。また評価の効率をはかるため、ノート型パソコンの購入にあてる。
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Research Products
(2 results)