2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Consideration and Effectiveness Verification of Mindfulness Program for Juvenile Delinquency
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22K03133
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
谷本 拓郎 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (50908358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑野 快 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 准教授 (50749819)
浦田 悠 大阪大学, スチューデント・ライフサイクルサポートセンター, 特任准教授(常勤) (90553834)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マインドフルネス / ジャーナリング |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年5月から2023年1月までの期間で,本研究担当者を中心としたオンライン研究会を10回開催した。学術雑誌(「心理学評論」,「精神療法」など)や専門書籍を用いて,マインドフルネスに関する知識の伝達および議論を行い,研究手法について検討した。加えて、研究担当者全員が生理的指標の測定が可能な媒体を用いてマインドフルネスの個人実践を行ったり,研究主担当者の一般向けマインドフルネスワークショップにおける実践に参加したりと,実体験の機会を積極的に確保した。また,非行少年のマインドフルネス心理教育プログラムの策定に向けた予備的研究として,一般青年を対象としたマインドフルネス介入による調査研究を行なった。マインドフルネスの一種であるジャーナリング(書く瞑想)の心理的効果について,実施前後の質問紙(POMS2)結果の変化と記述内容から分析した。結果については,否定的な感情傾向の低減,内省傾向や自己理解の幅の増進,身体感覚の鋭敏化等が効果として示唆された。なお,当該研究については,「ジャーナリング(書く瞑想)の心理的効果に関する一考察 ―女子大学生への実践から得られる示唆―」(京都光華女子大学研究紀要(60),pp.65-79)に掲載されている。 非行・問題行動傾向のある青少年への研究調査に向けて,少年院および児童自立支援施設において,マインドフルネスの実践指導を行っている。それぞれ月1回のペースで実施し,対象者の特徴やニーズについて臨床場面を通じて理解するよう努めている。児童自立支援施設においては,中学校の夏休み期間に5日間の集中的マインドフルネスプログラムを実施した。当該実施内容については,日本健康心理学会第35回大会において,「問題行動傾向のある青少年へのヨガ・マインドフルネスの効用―児童自立支援施設における実践プログラムの一考察―」との題目によりポスター発表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により,矯正施設や児童福祉施設における研究介入の許可が下りず,研究調査等が実施できていない。社会情勢的には当該感染症の収束がうかがえるが,対象とする施設は多くの青少年が寝食を共にする生活施設のため,今後もしばらくは慎重な対応を維持することが見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,新型コロナウイルス感染症等の影響を考慮しても実施可能な研究手法を検討・採用する必要がある。質問紙等の定量調査やジャーナリング等の自主課題型調査を予備調査的に実施する。また,動画素材等の間接的介入が可能な媒体の開発にも着手し,研究者が直接アプローチせずとも介入が可能な方法で,青少年のマインドフルネス傾向の向上を図る。 また,比較群として,瞑想熟達者や一般大学生等への介入調査も並行して実施する。現時点でヨガスタジオや大学生を対象としたマインドフルネス実践とその効果の測定を計画しており,マインドフルネスを用いた介入プログラムに必要な要素を探索的に検討する研究を推進する。 さらに,研究分担者らとの定期的な研究会やマインドフルネス実践の指導力を向上させる取組も引き続き行う。マインドフルネスに関する研究者との意見交換や瞑想指導者からの訓練を受けることを計画している。
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Causes of Carryover |
2022年度において,新型コロナウイルス感染症等の影響により,当初計画していた介入研究が実施できなかったため,未使用額については次年度以降に使用する予定である。
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