2022 Fiscal Year Research-status Report
小児腫瘍患児の精神的苦痛と家族機能に対するアドバンス・ケア・プランニングの有効性
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22K03146
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
遠藤 ゆうな 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (90910034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 洋介 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (30568572) [Withdrawn]
磯部 智代 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (30825708)
山末 英典 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80436493)
井上 淳 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (90535577)
清水 大輔 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (90896317)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アドバンス・ケア・プランニング / ACP / 小児がん / 家族機能 / 家族レジリエンス / 効果研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
“将来の医療・ケアについて患者・家族と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセス”である『アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning;ACP)』の実践と普及が進み、その重要性が認識され始めている。これまでのACP研究の多くは、高齢者や成人の終末期患者に集中しており、小児・思春期の患児を対象としたものは極めて少ない。しかし、小児がんを抱えた患児及び家族は、不安や抑うつといった精神的苦痛を抱きやすく、その影響は家族関係の変化や家族機能の低下にも及ぶとされている。そこで本研究は、小児・思春期の患児とその家族を対象としてACPを実施し、患児の精神的苦痛の軽減に加えて家族機能や家族レジリエンスの改善に対するACPの有効性を検討することを目的としている。 本年度は、研究プロトコルの策定、評価項目の選定を行うために、パイロットスタディとして2症例に実施した。その結果、欧米と日本の文化差が顕在化し、患児本人への病名や病態を必ずしも告知しない日本の文化において、先行研究に倣った研究プロトコルでの施行の困難さが示唆された。よって、研究プロトコルの見直し、評価項目の日本語訳作成、介入時期や評価時期の選定等の研究課題を特定した。今後は、パイロット研究において策定された研究プロトコルを基に、倫理委員会への申請、リクルート体制の確立を進めていく。また、パイロットスタディで得られた結果を、症例報告として学会等で発表することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
欧米と日本との文化差から、当初使用予定だった研究プロトコルの策定に時間を要しているため。また、症例への介入において、治療による副作用等の身体的苦痛さの影響から、継続的に介入できる症例数が予想よりも下回ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、症例報告としての学会発表、研究プロトコルの完成、倫理委員会への申請を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究プロトコル策定、研究評価項目の準備などに時間を要し、物品購入、旅費、人件費などが予定額より少なかったため。
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