2022 Fiscal Year Research-status Report
コーピングの柔軟性を高める非行からの立ち直りのための心理教育プログラムの作成
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22K03147
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河野 荘子 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (00313924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 英生 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (30508669)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 非行からの立ち直り / コーピングの柔軟性 / 心理教育プログラム / 非行少年 |
Outline of Annual Research Achievements |
しばしば、ストレスは、非行からの立ち直りの阻害要因と言われるが、実際は、同じようなストレスを受けても再非行をしない者とする者とがいる。おそらくストレスへの対処(以下、コーピング)が適切にできないことが、再非行に影響しているのであろう。本研究では、再非行に関係するストレスに対して、適切なコーピングができることが、再非行を減少させると考える。そして、「コーピングの柔軟性」という概念を用いて、非行少年のコーピングの様相を明らかにすることで、非行から立ち直るために重要な鍵となる心理的要因を見出し、新しい心理教育プログラムを作成することを目的とする。 コナースミスら(2000)のコーピング尺度は、最近では、COVID-19、がんや脳腫瘍といった、ストレス状況を個別に設定した上で用いるようになっている。そこで、本年度は、コナースミスらの許諾を得て、不当な扱いを受けるというストレス状況下での、反応の柔軟性尺度日本語版を作成することを目指し、先方とのやり取りをおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学内の業務が多忙である上、コロナの蔓延の影響で、研究の遂行に支障が出たため。 また、海外の研究者が作成した尺度を使用する方が、申請者のこれまでの研究との連続性が担保されるため、尺度使用の許可を得ようと問い合わせをかけたが、先方からの返答が来ず、現在に至っている。そのため、何度も各方面からのアプローチをおこなっており時間がかかっている。 一方で、このままでは時間ばかりが過ぎていくため、当初予定していた尺度以外のものを使用するなど、異なる手法で研究をおこなえないか検討中でもある。 以上、当初予定していなかったハプニングが起こったため、研究の遂行に支障が出てしまい、進行がやや遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画を遂行するため、コナースミスらの作成した尺度の使用許諾が得られるようアプローチを続ける。 一方で、研究を適切に進めるため、異なる方法も検討中である。コナースミスらの尺度は、意識的なコーピングと無意識的な反応の両方を測るものであるが、わが国で開発された、コーピングの柔軟性尺度や恥と罪悪感に関する尺度などを使用すれば、尺度内容は異なっていても、同じ方向性の研究が進められる可能性がある。「コーピングの柔軟性尺度」と「恥と罪悪感に関する尺度」は尺度作成者から使用許諾を得ている。今後、「無意識的な反応」をどのようにして測るか検討する。 上記で十分対応可能であると判断できれば、質問紙を実施し、非行少年と一般青年を対象に実施し、分析、モデル化を試みる。
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Causes of Carryover |
学内の業務に忙殺されており、さらにコロナの蔓延によるさまざまな社会的措置の影響や、尺度の許諾をえることが困難であったことなど、さまざまな制約を受け、思うように研究を進めることができなかった。そのため、次年度使用が生じている。次年度は、web上で調査をおこなう予定であり、研究協力者への謝金などが発生する予定である。また、学会発表に際して、旅費なども必要となる計画である。
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