2022 Fiscal Year Research-status Report
幼児の社会情動的スキルの規定因とその発達プロセスの解明
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22K03150
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 寿代 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (90508326)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 社会情動的スキル / 感情理解 / 感情制御 / 対人的問題解決 / 幼児 / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
幼児期の社会情動的スキル(Social Emotional Skills 以下,SES)の育成には,自分と他者の感情を理解する感情理解,自分の感情や行動を制御する感情制御,対人葛藤場面での対処に必要な問題解決スキルの習得が不可欠である。 すでに欧米を中心に多くの介入研究が実施され,自他への感情理解,感情制御,対人関係における問題解決スキルの学習が介入プログラムの三本柱を成している。しかし,SES介入研究では,その効果を発揮する方法や理由を説明するために必要とされる,介入要素間の因果関係が明らかにされてこなかった。従って,SESの発達を長期的かつ縦断的に追跡(4~6歳の4時点で測定)し,SESの発達及び問題行動と感情理解,感情制御,問題解決スキルの因果関係を明確化する必要がある。 本年度は,縦断研究の1年目となっていたが,コロナウィルス感染症予防のために調査が実施できなかったことから,調査内容を精査することとした。当初計画していた感情制御課題は,子どもへの課題のみとしていたが,他者評定を加えることで感情制御課題の妥当性を高めるために,教師評定による感情制御尺度(幼児用気質質問紙日本語短縮版(草薙・星,2017))を追加することとした。また,対人的問題解決スキルは,教師評定尺度を使用する予定であったが,高学年用の尺度であったため見直すことにした。その結果,子どもへの課題として挑戦的状況における問題解決課題(Denham, Bouril, & Belouad, 1994)を使用することにした。 2023年度は,感情制御に教師評定を追加し,対人的問題解決課題を子どもへの課題に変更して実施することにより,SESの発達及び問題行動と感情理解,感情制御,問題解決スキルの関係を明確化する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,縦断研究の1年目であったが,コロナウィルス感染症予防のため実施が困難であった。そのため,やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,調査が実施困難であったことから,予定していた調査内容を見直すことができた。次年度は,当初の予定通り,調査を実施する方向である。
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Causes of Carryover |
今年度は,コロナウィルス感染症予防のために調査が実施できなかったことや予定していた学会がオンライン開催となったことから,次年度の使用額が生じた。次年度は,調査を実施し,研究成果を論文にまとめ,学会で発表する準備を予定通り進める予定である。
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