2023 Fiscal Year Research-status Report
児童養護施設入所児童の愛着と適応―児童愛着面接(CAI)を用いて
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22K03157
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
向井 隆代 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (00282252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 千夏 聖心女子大学, 現代教養学部, 助教 (70530674) [Withdrawn]
齊藤 千鶴 聖徳大学, 心理・福祉学部, 講師 (20407597)
佐伯 素子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (80383454)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 児童養護施設入所児童 / 児童愛着面接 / 心理社会的適応 / 愛着 |
Outline of Annual Research Achievements |
児童養護施設に入所中の児童の愛着を、児童愛着面接(Child Attachment Interview)の日本語版(以下CAI)を用いて測定し、児童の心理社会的適応との関連を検討することにより、愛着が果たす保護機能としての役割を明らかにすることが本研究の目的である。 2023年度までに、まず一般家庭児童を対象にしたCAIの信頼性と妥当性を検討し、イギリスで開発された半構造化面接の日本語版を確定させ、CAIの質問項目とコーディングの手続きが日本人児童にも適用可能であり、児童の語りをコーディングすることにより、諸外国と同様に4つの愛着分類(安定型、軽視型、とらわれ型、非組織化型)を見いだせることを確認した。この結果は、査読付きの学術誌に掲載された。 2023年度は、新型コロナウイルスの「5類」移行後、協力先施設を訪問し、施設職員に対して準備状況の報告を行い、今後の調査についての説明と打ち合わせを行った。並行して、本研究開始前に収集していた注意欠如・多動型(ADHD)児童のCAIの逐語記録を詳細に検討し、児童養護施設入所児童においても多いと予想される軽視型の語りの反応例を収集した。児童の語りの分析は質的研究として、投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の研究計画は、代表者の所属機関の研究倫理委員会によってデータ収集に着手する承認は得られているが、新型コロナウイルス蔓延のため、2023年度までは協力先施設を訪問することができなかった。本研究の遂行には対面による面接の実施が不可欠であり、職員に対しては対面で説明等の機会が得られたが、児童に対する面接にはまだ着手できていないため、当初の計画より「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
児童が新年度に慣れたと思われる2024年6月以降、施設を訪問して面接調査を実施する予定である。その後、逐語記録を作成し、コーディングを実施する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、研究代表者、研究分担者ともに計上してあった旅費の使用が2023年度も限られたためである。引き続きWEB開催の学会もあり、研究分担者や協力先施設との打ち合わせも電話やリモート会議などを引き続き活用したため、旅費については当初の見積もりほどは使用していない。 2024年度は、協力先施設を訪問して面接調査を実施する予定であり、2023年度の残額と合わせて使用する予定である。
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Research Products
(1 results)