2023 Fiscal Year Research-status Report
子どもの般化されたプライアンス変容による認知行動療法型ストレスマネジメントの確立
Project/Area Number |
22K03184
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
嶋田 洋徳 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70284130)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / ストレスマネジメント / 般化プライアンス |
Outline of Annual Research Achievements |
児童生徒のさまざまな不適応行動や心身の症状の背景に存在しているとされる「心理的ストレス」を軽減し、児童生徒のストレス耐性を高めることを目指した「認知行動療法に基づくストレスマネジメントプログラム」は、これまで一定の効果があることが示されている。本研究課題は、学校のクラス集団をベースとしてプログラムを実践する際に、その効果に影響を及ぼすとされる認知行動的な個人差変数を踏まえて、個に応じたストレスマネジメントを実践すること、特に、個々の児童生徒の行動変容を阻害するルール支配行動である「般化されたプライアンス」を変容するための具体的な介入の方法論を構築、体系化しすることを目的としている。 今年度は、前年度までに行った介入の成果、および介入実施上の諸問題を解決した上で、新たに般化プライアンスを変容する介入を実施し、その介入効果を検討することを目的とした。公立中学校2年生および3年生549名を対象として、従来型のストレスマネジメントを行う標準群、思考と現実の弁別を促して般化プライアンスの変容を試みる脱フュージョン群を設定し、加えて他者に対する感受性を高める他者モニタリング群、表情認知の獲得を促す表情模倣群に振り分け、それぞれの介入を実施した。データ分析の結果、いずれの群も顕著な介入効果を見出すことができなかった。般化プライアンスの変容には、本研究では先行研究で行われている手続きを援用したが、計画通りの手続きの遂行にいくつかの問題があったため、それらを改善することによって介入効果の再検討を行う必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、概ね計画通り研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に得られたデータや、介入実施上の問題を改善し、研究成果のまとめに向けてのさらに研究を推進することとする。
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Research Products
(7 results)