2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of psychological intervention to create "IKIGAI" by older adults
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22K03185
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
日下 菜穂子 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (70309384)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 高齢者 / 生きがい / 実践コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の社会的孤立は,社会参加の機会や対人交流の減少による生きがい喪失を引き起こし,うつ病や認知症の進行等の間接的な健康二次被害が生じる可能性が高まると危惧されている。このような健康二次被害を防ぐため,新しい生活様式に対応する生きがい創造の支援による孤立防止対策の検討が急務である。本研究では,地域高齢者を対象としたオンラインでの生きがい創造プログラムの効果の持続のために,プログラム終了後のフォローアップの仕組みを設計し,高齢者が主体的にコミュニティ形成に関わる過程を検討する。そのために1)情報活用能力の様々な高齢者を対象にオンライン生きがい創造支援の介入を行い分析するとともに,2)高齢者がフォローアップ活動の担い手となるアプローチを検討する。 本年度は、1)のオンラインでの生きがい創造支援のプログラムの改善を先行研究の調査などから検討した。具体的には心身機能の加齢変化に考慮する介入方法の改良を加えるとともに,オンライン支援のための簡易マニュアルを作成した。改良を加えた介入方法およびマニュアルについて,高齢者のモニターを勧奨し評価を求めた。改良したプログラムの実施のために,自治体との連携により地域在住の65歳以上の住民を対象に参加者の勧奨を行った。勧奨に応じた地域高齢者20人を対象に2グループを構成し,オンラインおよび対面のプログラムを10週にわたり実施した。プログラムによる介入前後の効果を確認するために,参加前後に質問紙調査とインタビューを実施した。 目的2)に関しては,前年度より継続している実践コミュニティの参加者を対象に,高齢者が主体になる地域活動の継続を支援した。コミュニティへの参加者45名に対し,5月に認知機能検査および体力測定を実施し,長期的な変化を確認するデータを収集した。これらの記録の分析結果は,次年度以降のプログラム改良とコミュニティ実践の改善の資料とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プログラムの実施や効果測定のための質問紙調査は予定通りであるが、夏季の実施であったことから、猛暑の影響で参加者の体調不良などでの欠席があり、収集したデータの欠損が生じた。そのため、追加でのセッションを行うことを検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者がフォローアップ活動の担い手となるアプローチを検討する。そして,高齢者が担う生きがい創造支援としてパッケージ化しその効果検証を行う。今年度は地域在住の健康な高齢者を対象に,認知行動療法の手法を応用した心理介入のプログラムの改良を進め,心理的well-beingにおける効果を検証するためのデータを得た。今後は,オンラインを活用したコミュニティ形成の実践研究をすすめ,高齢者のICT活用を支援するノウハウの確立をめざす。
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