2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K03189
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Research Institution | Ryukoku University Faculty of Junior College |
Principal Investigator |
赤澤 正人 龍谷大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (00718364)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 外傷性ストレス / 養護教諭 / 自傷行為 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、養護教諭の外傷性ストレスの実態と関連要因を実証的かつ探索的に検討し、その予防と支援策を検討することである。 令和4年度の研究実績は大きく分けて二点ある。一つ目は、外傷性ストレスに関する文献収集とレビューの実施である。二つ目は、外傷性ストレスの実態把握のための調査項目の選択と抽出である。詳細は以下のとおりである。 対人支援職の外傷性ストレスについて文献収集及び概観を行ったところ、医療従事者を対象としたものが多数を占めておりで、養護教諭を対象としたものは限定的であった。言及されているのは、学校現場における子どものこころのケアに際しての、教職員としての養護教諭の役割が主であった。また外傷性ストレスとバーンアウトとの関連性が指摘されているが、外傷性ストレスだけでなく、その他のストレス要因、ソーシャルサポートやコーピングスタイルといった関連要因についても検討する必要性が示された。 これらをもとに、養護教諭の外傷性ストレスの実態把握の調査に向けた調査項目のせって及び作成を行った。また質問紙だけでなく、インターネット調査の実施可能性を考慮し、web上でのフォーム作成やアンケート回収の準備に向けて取り組んだ。以上、当初の計画通りの調査の実施には至っていないが、新型コロナウィルス感染症との共存や、これまでの日常を取り戻す回復過程の中で現実的な調査の実施に向けて試行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響が大きい。本研究の研究対象としている養護教諭が通常業務に加えて感染症対策にも多くの時間を必要としており,研究協力を依頼する適切な時期を見極める必要がある。また,子どもだけでなく養護教諭のメンタルヘルスの状態がコロナ禍の影響を大きく受けていることが推測されるため、二次的外傷性ストレスの実態を捉えづらくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した調査項目をベースとして、令和5年度に養護教諭の外傷性ストレスに関する実態調査を実施できるように計画している。当初は紙媒体をベースとしたものを想定していたが、web上でのアンケート調査実施も視野に入れて、関係機関への協力を依頼する。 また当初の研究目的を損なわない範囲で、柔軟な研究計画の調整を実施する。例えば、養護教諭のストレス全般を概観する中での外傷性ストレスの位置づけ、対人支援職の外傷性ストレスの把握など、その可能性を視野に入れて研究を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で学会や出張の旅費等を使用することがなかったことに加えて確認不足によるもので、令和5年度研究において調査の実施および学会や出張の旅費等で予算の使用を行う予定である。
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