2022 Fiscal Year Research-status Report
Sensory-motor synchronization and brain information processing during musical ensemble
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22K03196
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
中田 隆行 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (00281155)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 音楽共演 / 感覚運動同期 / 音楽表現 / 音楽知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度には、音楽共演中の同調行動と主観的印象に与える要因に関する研究を進めた。本研究課題用に作成したシステムは、プログラムにパートナーと参加者それぞれの担当パートの音情報組み込んでおくことで、参加者は音を鳴らしたいタイミングでPCのスペースキーの打鍵での音楽共演とデータの記録を実現した。このシステムを用いることで、演奏経験のない曲であっても短時間の練習で共演を可能とした。 まず2021年度にデータ収集した予備的実験成果について分析を行ったのち、音楽共演中の同調行動と主観的印象に与える要因について2つの実験を行なった。予備的実験である1つ目の実験からは、パートナーが実験参加者とパートナー間の音産出時刻のずれの40% を, 次の音までの時間間隔に対して補正すると, ミスなく演奏を完了するまでの練習回数が減る, タイミング同期の精度が上がる, そして, 演奏に対する主観的難易度が下がることが明らかになった。音楽大学の学部生・大学院生が参加した2つ目の実験結果からは、ピアノ曲の高音部の右手パート担当条件と比較して、低音部の左手パート担当条件では、同調精度がより高いことを示した。また、パートナーのタイミング補正が楽しさの主観的印象の向上につながることも確認した。さらに、音楽的構造の複雑さ、テンポ、と共演の相互作用性が、同期精度と主観的印象に与える効果を検証した3つ目の実験では、パートナーと同時に演奏すると、音楽構造が複雑になるに従って、同期のずれがより大きく、難易度印象もより高くなるのとは対照的に、パートナーと2小節ごと交互に演奏する場面では、音楽構造が複雑になっても同期のずれに変化はなく、より演奏が容易であるとの印象を与えることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
演奏経験のない曲であっても短時間の練習でヴァーチュアル・パートナーとの共演を可能とするシステムを作成することができた。音楽共演中の同調行動と主観的印象に与える要因に関する3つの実験から新しい知見を得ることができ、研究成果について、4件の学会発表を行う予定であるため、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に選られた成果について、令和5年度には国内学会の研究発表会での発表1件、国際会議での発表3件を行う予定である。また令和5年度には論文にまとめ学術雑誌に投稿する予定である。 さらに令和5年度には、令和4年度に選られた知見をもとに、音楽共演中の同調行動と主観的印象に与える要因に関する新たな実験を行う。その後、音楽共演中の脳内情報処理と社会認知について、新しい実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
健康上の問題で、令和4年度に複数回手術を受けたことによる移動制限、そして新型コロナウイルスの感染拡大に伴う移動制限のため、研究成果の発表を令和5年度に延期する必要が生じた。また研究の打ち合わせの回数も減らす必要が生じたため、旅費の支出額が想定よりも低くなった。令和5年度には、研究発表会・学術会議での成果発表に助成金を活用し、より頻繁に研究協力者・共同研究者と打ち合わせを行うために旅費、その他の項目で使用したい。
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