2022 Fiscal Year Research-status Report
3次元画像認知メカニズムの解明へ向けた実験基盤の構築とその応用
Project/Area Number |
22K03202
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
李 亮 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (00609836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 晃 関西大学, 総合情報学部, 教授 (60243987)
浅野 千恵 (村木千恵) 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00299174)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 3次元画像 / 画像データベース / VR実験システム / 視覚的複雑さ認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.3次元画像データベースの構築:3次元計測の点群データから、RGB-D画像データの作成支援ツールを開発した。このツールにおいては、UIインターフェースから4つの頂点を選択するだけで、自動的に正面判定と正規化が行われ、点群がカラー画像(RGB)と深度画像(Depth)に自動的に投影・保存されることが可能である。3次元点群から画像データベースの作成効率が向上した。 2.3次元視覚刺激提示用VR実験システムの開発:Unityを用いたVR環境において、ヘッドマウントディスプレイ「VIVE Pro Eye」の視線追跡機能を活用して、実験参加者の視線情報を取得し、そのデータを元に視線の集中度を可視化するヒートマップ生成機能を開発・実装した。この機能により、被験者の注目度や興味の度合いを正確に把握することが可能になった。 3.視覚的複雑さ認知の実験:異なるレベルの複雑性と認識難易度を持つテクスチャ画像を用いた実験を行うことで、先験知識が視覚的複雑さの認知に与える影響を調査した。実験の結果、先験知識が視覚的複雑さに与える影響は刺激画像によって異なることが明らかになった。また、先験知識が視覚的複雑さに与える影響は、対象画像の認識難易度だけでなく、画像の内容にも関係していることが示された。先験知識によって、人間が抽象的な2次元のテクスチャ画像から3次元空間情報や動的な動きを理解できることがあることが確認された。この成果が雑誌論文で発表された(2023年4月に採択され、出版された)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来は、点群データ編集ソフトウェアなどを使用して計測点群を抽出し、手動で視点カメラの角度を調整しながらRGB-D画像を生成する方法が一般的であったが、その方法は非常に効率が低いという課題があった。そこで、開発したツールを利用することで、より効率的に高精度なRGB-D画像データを生成することが可能である。これにより、より簡単かつ迅速に、3次元画像データベースを構築することができる基本的手法を確立した。また、ヘッドマウントディスプレイを利用したヒートマップ生成機能を実装することで、VR空間における実験参加者の関心領域を記録・分析することができるようになった。上記のようなデータベースと実験基盤の構築作業は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.計測対象のバリエーションを配慮しながら、3次元計測を行う。収集した点群データをRGB-D画像に投影し、3次元画像データベースの構築を進める。 2.視線軌跡とヒートマップの精度を向上させる。また、実験参加者の答えと反応時間を記録する機能を開発する。 3.開発したVR実験システムを利用した実験を設計する。
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Causes of Carryover |
2022年度では、コロナの影響で研究会や打ち合わせなどがリモートとなった場合があり、研究打ち合わせや資料収集・成果発表のために確保していた旅費に余剰が発生した。2023年度は対面での国際・国内研究集会が全面再開される見通しのため、成果発表と分担者間での意見交換会のために旅費を使用することとする。
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Research Products
(15 results)