2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K03232
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
阿部 健 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (90362409)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 超曲面 / 双曲性 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き代数幾何学の方向から双曲性に関する研究を行った.前年度は等質空間の超曲面切断内の部分多様体が一般型か,について研究していた.これはClemen-Ranの研究の等質空間版であった.今年度はClemens-Ranの研究の対数版について考察した.以下具体的に述べる. 射影空間内の超曲面に含まれる部分多様体が一般型であるかどうかという研究と対をなすものとして,射影空間内の超曲面の補集合の部分多様体の研究がある.代数幾何的には超曲面を境界として,射影空間と超曲面という対数的代数多様体内の対数的曲線を研究することになる.dが(3n+2)/2以上のとき,n次元射影空間内の一般なd次の超曲面の部分多様体は一般型であるか,または,超曲面に含まれる射影直線の和集合に含まれる,というClemens-Ranの結果があった.今年度の得られた結果は,これの対数版である.すなわち,dが(3n+3)/2以上のときn次元射影空間とd次の一般な超曲面の対の(超曲面に含まれない)部分多様体は対数的一般型であるか,または,超曲面と高々2点でしか交わらない射影直線の和集合を稠密に含む,ということを示した.証明の大きな方針はClemens-Ranのものと同じだが,新しい議論としてChen-Riedl-Yeongによる直線と超曲面との交わりの不変性および,超曲面との交わり方が一定の射影直線のモジュライのコンパクト化を用いた.本研究者の貢献は,交わり方が一定の射影直線のモジュライのコンパクト化に関わる部分である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の結果はこの研究の研究計画で解決したい,と述べていた問題のうちの一つであり,それが解決できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き双曲性に関わる代数幾何の課題に取り組んでいく.
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Causes of Carryover |
今年度予定していた研究打ち合わせの一部をを来年度に持ち越したため.
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