2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K03242
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹ケ原 裕元 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (10211351)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バーンサイド環 / 束 / べき等元 / 単数群 |
Outline of Annual Research Achievements |
有限群 G のバーンサイド環の一般化である、G-lattice L に対して、G の各部分群 H と L の H が自明に作用する空でない sublattice (部分束) L(H) の組の族がなす圏で定義されるグロタンディック環 LB(G) を lattice (束) バーンサイド環という。 LB(G) から定まる有理数係数の Q-代数 QLB(G) の原始的べき等元公式が知られている。QLB(G) の原始的べき等元は LB(G) の単数と密接に関係している。そこで LB(G) の単数群の性質を研究した。 LB(G) は抽象バーンサイド環であり、LB(G) を含むゴースト環 Gh(G) の単数が LB(G) の単数であるための必要十分条件が知られている。これを LB(G) の単数に関する規準という。それはバーンサイド環の単数に関する吉田の規準の一般化であり、バーンサイド環の単数群の研究が応用できた。具体的には以下の通りである。 まず、QLB(G) の原始的べき等元に対応する Gh(G) の単数が LB(G) の単数であるための必要十分条件を示し、その場合の LB(G) の単数の公式を得た。さらに、この結果に関連する、G と L に対して定まる element と呼ばれる対象の集合における、ある同値関係を定義し、LB(G) の単数に関する規準を用いて、LB(G) の単数群の直積分解を与えた。これは、バーンサイド環の単数群の性質の一般化である。この結果により、具体的な有限群 G に対する LB(G) の単数群を容易に決定できるようになった。4次対称群や5次対称群で、具体例を与えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有限群 G の束バーンサイド環の単数群の研究を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
有限群 G の束バーンサイド環の単数群の研究をさらに進める。得られた単数群の直積分解を精査して、改善点を探り出す。具体的な群の例を参考にして、一般論を進める。
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Causes of Carryover |
予定していた研究打ち合わせが、遠隔となったために次年度使用額が生じた。次年度に研究打ち合わせをする際に、旅費として使用する。
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