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2023 Fiscal Year Research-status Report

W3代数を生成系とする頂点代数とその対称性の研究

Research Project

Project/Area Number 22K03252
Research InstitutionTokyo Woman's Christian University

Principal Investigator

山内 博  東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (40452213)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
KeywordsW代数 / 頂点代数
Outline of Annual Research Achievements

W3代数と呼ばれる頂点代数はフュージョン規則に位数3の対称性を持つことが知られている。本研究課題では生成系としてW3(4/5)を持ち,いくつかの条件を満たすものを構成し,その自己同型群を解明することを目的としている。昨年度に続き,本年度も設定の条件を満たす頂点代数の構成とその構造の解析の研究を行った。昨年度の研究では,群論におけるアッシュバッハー,ホール,シュテルマッハーらの先行研究との比較を行った。その結果,当初の目論見に反して,リーチ格子に付随した頂点代数においては,W3代数の生成する対称性は,彼らが設定した群論的な条件を満たしていないことが判明した。彼らの設定した条件はコンウェイ群や散在型鈴木群の考察から来るもので,これらはリーチ格子の対称群であることから,リーチ格子に付随した頂点代数にも作用している。そのため,計画段階では,具体例を探す際に,リーチ格子頂点代数の内部におけるW3代数と同型な部分代数の考察を行えばよいと想定していたが,昨年度の研究により,この方針では上手く行かないことが判明した。それゆえ今年度は別のアプローチを取る必要があった。そこで今年度は頂点代数におけるグライス代数に注目し,べき等元で生成される部分代数,いわゆる軸代数の概念を位数3の場合に拡張し,まずはグライス代数の段階でアッシュバッハーらの群論的条件を矢部氏と共同で検証した。その結果,矢部氏が軸代数について部分的な結果を得た。そして,そこで得られた軸代数(これは有限次元可換代数である)を実現する頂点代数の例の考察を行った。現段階では関連する具体例は発見できたが,矢部氏が構成した軸代数を頂点代数のグライス代数として実現するまでには至っておらず,引き続き研究を進めていく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

設定した研究課題について,当初の見込みより複雑な状況であることが判明した。そのため当初想定した研究手法だけではなく,別の手段も追加して考察を行ったが,現在のところ部分的な結果しか得られていない。研究自体は進展しており,このまま継続していく。

Strategy for Future Research Activity

現段階では生成系が作る部分代数の可能性について,枝狩りすべき分岐が多すぎることから,新たな具体例を見つけ出し,その中で満たされている条件を探り,帰納的に考察することで,W3代数を生成系に持つ部分代数の構造の可能性に対する制約を見出すという従来の方針を継続する。具体例の構成には有限次元代数であるグライス代数を手がかりとして研究を行う。頂点代数のグライス代数において,W3代数のフュージョン規則を当てはめて得られる部分代数構造について,アッシュバッハー,ホール,シュテルマッハーらの群論的仮定条件を課した場合に,いくつかの仮定の下で部分的な結果が得られたが,この仮定条件を緩める研究を行うとともに,グライス代数を実現する頂点代数の構成を目指す。

Causes of Carryover

本務の都合により出張を控えたことにより旅費を十分に使えなかった。次年度以降の旅費として使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 2 results)

  • [Int'l Joint Research] 中央研究院数学研究所(その他の国・地域(台湾))

    • Country Name
      その他の国・地域
    • Counterpart Institution
      中央研究院数学研究所
  • [Presentation] VOAs generated by Matsuo Algebras2023

    • Author(s)
      Hiroshi Yamauchi
    • Organizer
      International Algebra Conference in the Philippines
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] 松尾代数から生成される頂点代数2023

    • Author(s)
      山内 博
    • Organizer
      第39回代数的組合せ論シンポジウム
    • Invited

URL: 

Published: 2024-12-25  

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