2023 Fiscal Year Research-status Report
On finite generation of symbolic Rees rings
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22K03256
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
蔵野 和彦 明治大学, 理工学部, 専任教授 (90205188)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | シンボリックリース環 / Cox 環 / 有限生成性 / モノミアル曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
スペースモノミアルプライムのシンボリックリース環の有限生成性を議論したい。これは 3 変数の重み付き射影曲面の一点ブローアップで得られる射影多様体 Y の Cox 環と一致する。Y に例外曲線以外の自己交点数が負の曲線が存在するかどうかが、Y の Cox 環の有限生成性に大きく影響する。係数体の標数が正の場合には、自己交点数が負の曲線が存在すれば Cox 環は有限生成である。係数体の標数が 0 の場合は、後藤-西田-渡辺の例があるように、自己交点数が負の曲線が存在しても Cox 環は有限生成とは限らない。ここでは、係数体の標数が 0 であり、スペースモノミアルプライムの生成元の一つが自己交点数が負の曲線の方程式になる場合を考える。この場合に Cox 環は有限生成になる必要十分条件を、稲川太郎氏(奈良高専)との共同研究によって得ることができた。これは、三角形内の格子点の個数に関して、とても簡単に検証可能な条件である。この論文のレフェリーからは、「20 年来の未解決問題を解決した」と高い評価を受けている。その後、藏野の修士の学生の宮原円生氏は、この判定法はもっと広い範囲のシンボリックリース環に関しても有効であることを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
稲川太郎氏(奈良高専)との共同研究によって、かなりの成果をあげることができた。今後は、negative curve map の作成の問題に取り組み、永田予想への応用に集中して取り組みたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
シンボリック・リース環の有限生成性を考える場合は、自己交点数が 0 または負の曲線が存在するかどうかが非常に重要である。negative curve map を見たとき、diamond の境界の有理点には自己交点数が 0 の曲線がある。それと交わらないような別の自己交点数 0 の曲線があるとき、その二つの自己交点数 0 の曲線は Huneke の判定法を満たしていて、シンボリックリース環はネーター環になる。その場合、二つ目の自己交点数 0 の曲線によって、negative curve map において最初の diamond の有理点が別の diamond の境界になることが証明できることが多い。つまり、negative curve map において、新しい diamond が見つかるわけである。よくわかっている diamond の境界の有理点におけるシンボリック・リース環の有限生成性について調べたい。
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Causes of Carryover |
研究は順調に進んでいるのであるが、本務が忙しくて研究発表を予定してたようにできなかった。
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