2022 Fiscal Year Research-status Report
Reserch on representations of association schemes and generalized Terwilliger algebras
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22K03266
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
花木 章秀 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (50262647)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | タウィリガー代数 / 有限単純グラフ / 隣接代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
タウィリガー代数の一般化について、その基本的性質と具体例に関する研究を行い、ある程度の成果を得た。有限単純グラフの隣接代数に以下のような頂点の分割に関する情報を付加した代数を考える (1) 1点と他のすべての点への頂点の分割 (2) 1点とその点からの距離による頂点の分割 (3) 自己同型群の1点の安定部分群の軌道による頂点の分割 (4) 自己同型群の1点の安定部分群による不変元の全体。(4) は頂点の分割で得られるものではないが、比較のため考察した。(2) が通常のタウィリガー代数である。 はじめに一般的に成り立ついくつかの簡単な性質を調べ、それを用いて path, star などの基本的なグラフについて上記の代数の構造 (既約成分への分解) を決定した。また、完全にではないが Paley グラフについても、その次元の評価を与えた。先に述べたように (1), (2), (3), (4) には自明な包含関係があるが、実際に差がある例を構成し、一般には一致しないことを示した。 この結果は吉川昌慶氏 (兵庫教育大) との共同研究としてまとめられ、論文誌「Discrete Mathematics」に掲載が決定されている。 本研究の主題とはやや異なるが、内在的に3つのデザイン構造を持ったランク4の自己双対的アソシエーションスキームの例の構成に成功している。基本可換2群、位数4の巡回群いくつかの直積、のシュアー環として得られており、シュアー環の研究としても新しい結果となっている。この結果については現在投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グラフの任意の頂点集合の分割によるタウィリガー代数の一般化を考えることが本研究のテーマである。これについて、まずは考えてみたいいくつかの分割に対して、具体例を計算し基本的な性質を調べることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
「概要」に書いた頂点の分割は基本的であり、引き続きより深い研究を行うつもりである。また、より一般の頂点の分割を考えるために、「よい分割とは何か?」という問題に着手している。異なる分割が等しい代数を定めることがあるため、それを記述するための新たな定義をし、一つの妥当と思われる予想も得られているが、まだここに記述する段階ではない。今後、研究を進めてこれらの問題の解決を目指していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で出張を行わなかったため、次年度使用額が生じた。2023 年度はほぼ通常通りの研究活動が行えることが予想されるため、出張や備品の購入などの通常の支出で利用する予定である。
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