2022 Fiscal Year Research-status Report
数論的位相幾何学に基づく数論的場の量子論の構築と絶対幾何学との融合
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22K03270
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森下 昌紀 九州大学, 数理学研究院, 教授 (40242515)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 結び目 / 素数 / 数論的位相幾何学 / 数論的位相的場の理論 / Deninger葉層力学系 |
Outline of Annual Research Achievements |
結び目と素数の類似に基づき, 3次元幾何学と数論の横断的研究-数論的位相幾何学-を行っている. 過去数年は, 数論的位相幾何学の精密化や数理物理との関係について研究を行っている. (1) Minhyong Kimによる数論的Chern-Simons理論について, 基礎付け的な結果を得た. すなわち, ゲージ群が有限群の場合(Dijkgraaf-Witten理論)に, 2+1次元位相的場理論の構造の数論的な類似(数論的前量子化束, 数論的量子空間, 数論的Dijikgraaf-Witten分配関数)の構成, 種々の関手的性質, 張り合わせ公式を示し,数論的Dijkgraaf-Witten理論の基礎付けを与えた. これについて論文が出版され, 講演を行った. また, 結び目群の表現について, Galois表現に対する随伴Selmerの類似物を導入し, その捩れ性や代数的L関数に関する考察を行った論文が出版された. (2) 2次元共形場理論とメタプレクティック理論の類似性を見出し, 特にSegal-Witten相互律と久保田の相互律の類似性に関して考察を行った. (3) 数論的位相幾何学の精密化について, Deningerの葉層力学系に関して基礎的な考察を行った.(2), (3)について, エジンバラのICMSで主催した国際研究集会「Gauge Fields in Arithmetic, Topology and Physics」で招待講演を行った. (4) 著書「Knots and Primes - An Introduction to Arithmetic Topology」の改訂拡大第2版版を著した. また, 数論的位相幾何学の基礎に関する著書も執筆している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数論的Chern-Simons理論, 数論的Dijkgraaf-Witten理論を深める研究を行う過程で, 共形場理論と数論におけるメタプレクテック理論との間の類似性を見出した. また, Deningerの3次元葉層力学系の標準的な実例の構成, その上のシンボルの研究を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,数論の幾何学化という方向では, 数体の整数環に付随する Deningerの数論的力学系と数論的位相幾何学との具体的な関係を見出すことが目的として研究する. Deningerの無現次元力学系の中に3次元的な空間を見出し, 数論的位相幾何学の素イデアルと結び目の類似性を実現する幾何学的なモデルをつくることを目的とする. 次に, 数論的Chern-Simons理論, 数論的Dijkgraaf-Witten理論を深めることを目的として, 共形場の理論と数論におけるメタプレクテック理論との類似性を追究する.特に, Witten-Segal相互律と久保田の相互律の類似性, 共形ブロックの空間とメタプレクテック群の表現論との関係を研究する.
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Causes of Carryover |
2020年度基盤研究(B)の再繰越金が残っていたので, それを使用することでまかなわれたため. 2024年度は外国出張を予定しているので, そのために2022年度基盤研究(C)の未使用分をあてる計画である.
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Research Products
(6 results)