2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K03276
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中村 隆 東京理科大学, 教養教育研究院野田キャンパス教養部, 准教授 (50532355)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ゼータ関数 / L関数 / ゼータ関数の関数等式 / ゼータ関数の零点 / 無限分解可能性 / 多重ゼータ値 |
Outline of Annual Research Achievements |
quadrilateral ゼータ関数と関連するゼータ関数を主に研究した。quadrilateral ゼータ関数は報告者自身により定義された関数であり、$\zeta (s,a) + \zeta (s,1-a) + {\rm{Li}}_s (e^{2\pi ia}) + {\rm{Li}}_s (e^{2\pi i(1-a)})$、ただし$\zeta (s,a)$はHurwitzゼータ関数、${\rm{Li}}_s$は周期的ゼータ関数である、を2で割ったものとして定義される。この関数はリーマンゼータ関数と全く同じ関数等式を持つ。さらに無限個の零点を臨界線上に持つことも証明されている。一般には、quadrilateral ゼータ関数はリーマン予想の類似は満たさないので、関数等式がゼータ関数の零点に与える影響を考察するためには極めて重要な関数であると推測される。
(1)リーマンゼータ関数と全く同じ関数等式を持ち、かつリーマン予想を満たすというゼータ関数の構成に歴史上はじめて成功した。さらにリーマン--フォンマンゴルト漸近公式の類似も示した。Hardyゼータ関数の類似も定義し、その数値実験を行った。合同ゼータ関数に似たオイラー積表示を持つことも示した。
(2)さらに、Kajtaz H. Bllaca, Kamel Mazhouda との共同研究で、quadrilateral ゼータ関数に対するLi係数を定義し、そのLi係数が負になることがあることをした。例としては2番目のLi係数が負となるようなものを構成した。Li係数はその性質から、リーマン予想の類似を満たさないとき負になるLi係数が存在することが分かるが、具体的に何番めのLi係数が負になるかを決定した論文は、我々の論文を除き存在しないと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関連する論文の審査が遅れているため、それを基にした論文の投稿ができない状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
自分の成果を如何に分かりやすく国内外の研究者に説明するかを考える。コロナ禍も収束しつつあるので、外国に出張し、講演出来ればよいと考えている。しかしながら、教育に対しても時間を割かねばならず、研究時間の確保が難しい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため国外出張が困難であった。
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Research Products
(2 results)