2022 Fiscal Year Research-status Report
The geometry of orbits of noncommutative Hermann actions
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22K03285
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
井川 治 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (60249745)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 対称空間 / Hermann作用 / 対称三対 |
Outline of Annual Research Achievements |
間下克哉氏(法政大学)との共同研究で以下の結果を出した.8次特殊直交群の普遍被覆群 Spin(8) にはtriality automorphism と呼ばれる位数3の外部自己同型写像σが存在する. このかσからσ作用と呼ばれる Spin(8) の Spin(8) 自身への作用が定まる. この作用は余等質性(=最大次元軌道の余次元) 2 の超極作用である. この作用の軌道空間と個々の軌道の性質を調べた.軌道空間は30度,60度,90度の直角三角形と同一視される.この直角三角形の内部が正則軌道に,境界が特異軌道に対応する.すべての極小軌道は頂点の軌道3個と各辺に1個ずつと内点に1個の全部で7個あり,そのうちでaustere軌道も決定した.この場合,austere軌道は弱鏡映軌道になっている.
馬場蔵人氏(東京理科大学)との共同研究で以下の結果を出した.Hermann作用はコンパクト対称三対から構成される.松木俊彦はコンパクト対称三対全体に非自明な同値関係を導入した(2002年).同値な二つのコンパクト対称三対は,本質的に同じHermann作用を定める.しかし,この同値関係は定義自体は簡単であるが,かなり非自明であり,コンパクト対称三対に付随する種々の量が,互いに同値な二つのコンパクト対称三対に 対して異なる場合が頻繁に起こる.そのため,互いに同値な二つのコンパクト対称三対であってもそこから得られるHermann作用は,(本質的に同じであるにも拘わらず) 扱いやすさに差が出る.そこで,コンパクト対称三対の同値類の中で,もっとも簡単な代表元を選ぶ必要が出てきた.この最も簡単な代表元をコンパクト対称三対の標準形と名付け,その存在を示した.すなわち,Hermann作用について考察するためには標準的なコンパクト対称三対から構成されるHermann作用を考えれば十分であることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画したところまで順調に進み結果を研究会などで発表したが,論文にまとめ投稿することが出来ずに残ったため区分を(2)とした.
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Strategy for Future Research Activity |
得られた結果を論文として投稿した後,計画通り「非可換」Hermann作用の軌道の幾何学の一般論の構築に取り組む.Hermann作用はコンパクト連結Lie群上の二つの対合から構成される.二つの対合が(本質的に)可換のとき,「可換」そうでないとき,「非可換」という.「非可換」Hermann作用の軌道の軌道空間と個々の軌道の性質((余)次元,体積,いつ極小/austere/弱鏡映部分多様体/全測地的部分多様体になるか)を調べる.「可換」Hermann作用の性質を調べるためには,重複度付き対称三対の考えが有用であった.この考えは「非可換」Hermann作用についても拡張できると思われる.また,Wirtinger不等式をHermann作用の観点から見返すと次の問が考えられる. 問1 Hermann作用の軌道空間の各元に対して成り立つ絶対不等式で,その等号成立条件が全測地的軌道になるものを見つけよ.また,Harvey-Lawsonの扱ったキャリブレーションの不等式を幾何学におけるHermann作用の視点から見直し,背後にある多数の未発見の不等式を見出し,キャリブレーション幾何学とは限らない幾何学に応用せよ. Hermann作用はコンパクトな世界の話であるが,対角化可能に相当する等長作用は非コンパクトな世界でも考えられている.応募者と笹木集夢(東海大学)-馬場はコンパクトな世界と非コンパクトな世界をつなぐ次の研究を行った.我々は可換コンパクト対称三対と擬リーマン対称対はLie環レベルで一対一に対応することを発見した.この対応を一般化された双対と名付け,その性質を調べた.そこで,問1で得られるであろう結果を引き継ぎ,次の問を設定する. 問2 問1で得られた絶対不等式を一般化された双対を通じて,非コンパクトな世界に移植せよ.さらにそれらをキャリブレーション幾何学とは限らない幾何学に応用せよ.
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Research Products
(3 results)