2022 Fiscal Year Research-status Report
Research of submanifolds by using the mean curvature flow and Lie group actions, and its application to theoretical physics
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22K03300
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小池 直之 東京理科大学, 理学部第一部数学科, 教授 (00281410)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 平均曲率流 / リー群作用 / 等径部分多様体 / ゲージ理論 / カラビ・ヤウ構造 / 特殊ラグランジュ部分多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、次の4つの研究を推進させた。 1. 可分なヒルベルト空間内の無限次元等径部分多様体の新しい構成法を与えた。その構成法は、以下の通りである。Bをn次元コンパクトリーマン多様体とし、PをB上のコンパクト半単純リー群Gを構造群とする主バンドルとし、PのH^s接続全体のなす可分なヒルベルト空間をA_P^{H^s}と表す。ここで、sは(n/2-1)よりも大きい実数とする。A_P^{H^s}からGへの等速ループcに沿うホロノミー写像とよばれる写像hol_cを定義し,この写像によるGの等焦部分多様Mの原像hol_c^{-1}(M)を考える。ここで、等焦部分多様体とは、等径部分多様体に類似して定義されるコンパクト部分多様体のことである。このとき,原像hol_c^{-1}(M)が、A_P^{H^s}の無限次元等径部分多様体であることが示される。このように、コンパクト半単純リー群G内の等焦部分多様体から可分なヒルベルト空間内の無限次元等径部分多様体を構成することができることを発見した。この構成法に関する論文は、Illinois Journal of Mathematicsから出版済みである。 2.可分なヒルベルト空間内の固有フレッドホルム部分多様体のHeintze-Liu-Olmosの意味での正則性よりも強い性質としてr次正則性(r=1,2,...)という性質(この性質は、令和3年度に研究代表者によって導入された)の研究を前年度に引き続き推進させた。 3.前年度に引き続き、令和2年度までに推進したコンパクト型リーマン対称空間G/Kの複素化上のG不変なカラビ・ヤウ構造の新しい構成法とそのカラビ・ヤウ多様体内の特殊ラグランジュ部分多様体の構成法に関する研究を見直し、その改善を行った(現在進行中)。 4.令和2年度に導入したウェイト付きリッチ平均曲率流の研究を推進させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究概要に記載した4つの研究のうち、1の研究は、論文としてまとめ、出版することができたが、2,3,4の研究については、おおむね順調に進展させることができたが、論文としてまとめるまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究概要に記載した4つの研究のうち、1の研究については、一般の曲率をもつリーマンヒルベルト多様体内で、新しい部分多様体のクラスを定義し、その部分多様体の構成法を与える予定である。2,3,4の研究については、研究を推進し、論文としてまとめたいと思っている。
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Causes of Carryover |
3月末に開催した研究集会における講演者への謝金、及び旅費の支払いが次年度になったため。
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