2023 Fiscal Year Research-status Report
外微分式系による一般化されたモンジュアンペール方程式の研究とその応用
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22K03314
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
澁谷 一博 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (00569832)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 微分式系 |
Outline of Annual Research Achievements |
微分幾何学における微分式系、外微分式系の理論を用いて、微分方程式の幾何学的研究を行った。外微分式系(多様体上の微分形式全体の成す代数内で外微分による作用で閉じたイデアル)の理論は多様体上の接空間の部分空間(微分式系)の研究に端を発する理論であり、微分方程式、特に非線形偏微分方程式を統一的に扱う理論として優れている。この理論を数学的のみならず応用上も重要であるモンジュアンペール方程式、研究代表者らによって導入された一般化されたモンジュアンペール方程式(古典的な2階2独立変数1未知関数のモンジュアンペール方程式の外微分式系を用いた定式化に対して、接触変換の視点から幾何学的に高階化、多未知関数化、連立化された偏微分方程式のクラス)に応用する研究を行った。 特に、一般には微分方程式の幾何学的研究では、微分方程式の初期値問題が取り扱われるが、境界値問題の幾何学的定式化は知られていない中、P.Griffithsによる外微分式系の理論の変分問題への応用の研究の視点から境界値問題の微分式系、外微分式系の理論を用いての幾何学的定式化の考察を行なった。そのような中、連立偏微分方程式に対しては単独方程式と従関係式とみなすことにより、連立型、単独型の双方の理論が適用可能となる新たな研究の方向性の知見が得られた。 この方向性において、2階2独立変数1未知関数の過剰決定系と2階2独立変数1未知関数の単独方程式の中間ともいうべき、2階2独立変数1未知関数の単独方程式+従方程式(1階までの微分方程式)の種々の具体例を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は当初の計画通り進んでいて、研究業績で述べた成果が出ている。 その理由は以下になる: ・研究協力者との情報交換で研究が進んだ。 ・研究集会に参加をすることにより、他講演者、参加者から幅広い助言を受けることで研究が進んだ。 ・論文等により本研究に必要な資料、情報を集めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの成果を踏まえて以下に取り組む: ・外微分式系の理論の変分問題への応用の研究の視点からの境界値問題の研究 ・2階2独立変数1未知関数の過剰決定系の一般化されたモンジュアンペール方程式の研究 ・多未知関数の一般化されたモンジュアンペール方程式の研究
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Causes of Carryover |
本年度はコロナ禍が予定より落ち着いており、オンライン機材の費用が当初の見積もりより少なくなったため次年度使用額が生じた。次年度もコロナ禍が落ち着いているようであれば、積極的に対面による研究集会に参加、共同研究者との打ち合わせ等を行うための、旅費として使用する計画である。
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