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2022 Fiscal Year Research-status Report

曲面の写像類群による高次元シンプレクティック多様体の組み合わせ的研究手法の確立

Research Project

Project/Area Number 22K03320
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

早野 健太  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (20722606)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywordsレフシェッツペンシル / 写像類群 / ブレイドモノドロミー / シンプレクティック多様体
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は複素射影平面内のカスプつき曲面のブレイドモノドロミーと,4次元多様体上のレフシェッツペンシルのモノドロミーから定まる,6次元シンプレクティック多様体を調べるための基礎を確立することである。本年度はこれらのモノドロミーの情報と,対応する多様体の位相不変量との関係を調べる試みを行った。残念ながら成果として発表できる結果には至らなかったが,以下に記載の通り部分的な結果を得ることはできた。
研究内容を説明するためにまず,モノドロミーの情報から6次元多様体を構成する方法を概説する。まず与えられたブレイドモノドロミーに対応する,複素射影平面内のカスプつき曲面をとる。次にそのカスプつき曲面を臨界値集合とする,6次元多様体から複素射影平面への写像で,値域内の射影直線の逆像への制限が与えられたモノドロミーを持つレフシェッツペンシルになるものを構成する。以上の構成はAurouxにより提案されたものであるが,Aurouxは自身の論文においてこの構成を説明し,「できる」と主張するのみでその証明は与えなかった。本研究ではモノドロミーの情報に対応する6次元多様体から複素射影平面への写像に対し,Thom多項式の理論を援用することで臨界値集合と6次元多様体の位相不変量を関連づける予定であったが,そのためにはAurouxによる構成で得られる6次元多様体上の写像を具体的に与える,つまりAurouxが「できる」と主張している議論を実際に行う必要があったので,まずこの写像の構成を試みた。その結果Aurouxの主張の一部,具体的にはブレイドモノドロミーを4次元シンプレクティック多様体の写像類群に持ち上げる操作がそのままではできないことが判明した。今年度の研究ではレフシェッツペンシルのファイバーを保つ微分同相写像とイソトピーにより定まる,4次元多様体の写像類群の変種を考えることで,この問題を解決した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の予定では今年度中に,Thom多項式の理論を本研究で扱う写像に適用し,臨界値集合内のカスプや二重点の個数と6次元多様体の位相不変量との関係を決定するつもりであったが,研究実績の概要に記載の通り,研究開始時点では想定していなかった問題がみつかったため,完遂することはできなかった。また今年度は現時点で得られている3次元複素射影空間に対応するであろうと予想されているモノドロミーの情報が,実際に対応することを証明する予定でもあったが,前述の研究に時間を要したためこの予想の証明に着手することができなかった。
一方で研究途上で現れた問題は解決することができ,予定通りは進まなかったものの確かな進展はみられたため,「やや遅れている」とした。

Strategy for Future Research Activity

今年度においてブレイドモノドロミーを4次元多様体の写像類群のモノドロミーに持ち上げられることを証明できたので,来年度はまずこの持ち上げを利用してAurouxの構成により得られる6次元多様体から複素射影平面への写像を具体的に与える。そして当初の予定通り,この写像にThom多項式の理論を援用することで,臨界値集合と6次元多様体の位相不変量との関係を明らかにする。またブレイドモノドロミーと4次元多様体のレフシェッツペンシルのモノドロミーが6次元シンプレクティック多様体を表すためには,両立性条件と呼ばれる条件を満たす必要があるが,現時点ではこの条件を満たすモノドロミーの対の非自明な具体例がほとんど知られていないため,来年度はMoishezon-Teicherの理論を援用して新たな具体例を得る予定である。

Causes of Carryover

研究実績の概要でも説明した通り,今年度は想定していたよりも研究が進展せず,成果発表のための出張が不要となったため,次年度使用額が生じた。次年度は研究集会に参加して成果を発表するとともに,国内外の研究者とも積極的に研究打合せを行う予定であり,そのための旅費として使用する。また研究遂行に必要となる図書の購入も行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Presentation] An explicit example of a monodromy factorization pair for a symplectic 6-manifold2022

    • Author(s)
      Kenta Hayano
    • Organizer
      The 15th Mathematical Society of Japan-Seasonal Institute Deepening and Evolution of Applied Singularity Theory
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2023-12-25  

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