2023 Fiscal Year Research-status Report
領域摂動に伴う流体力学の基礎方程式の解の漸近挙動の解析
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22K03370
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
牛越 惠理佳 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (20714041)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | Navier-Stokes方程式 / Helmholtz-Weyl分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度より考察していた時間依存領域上のナビエ・ストークス方程式の初期値境界値問題における弱解の周期解の存在に関する研究について、より詳細な議論を行った。 具体的には、同問題に取り組む上で生じる本質的な課題は、時間依存領域におけるHelmholtz-Weyl分解の時間(領域)依存性を明らかにすることであるということを見出し、その解析を行った。ここで、Helmholtz-Weyl分解とは、ソレノイダルベクトル場が、調和ベクトル場とベクトルポテンシャルに分解できることを保証するものであり、Weyl(1940)やBendali-Dominuguez-Gallic(1985)等の研究を経て、近年、Kozono-Yanagisawa(2009)によってL^rの枠組みに拡張された。そして、同分解は非常に重要な研究テーマの一つとして、これまで多くの研究者によって様々な方面へ応用が展開されている。 今年度の課題となったHelmholtz-Weyl分解の時間(領域)依存性の問題は、結局、楕円型方程式の境界値問題の解のパラメータ依存の解析に帰着される。この方面については、Fujiwara-Ozawa(1978)の中で議論されているグリーン関数に対するアダマール変分公式の導出手法、特にアプリオリ評価を用いたグリーン関数の領域依存性の解析の方法が鍵を握る。今年度においては,Helmholtz-Weyl分解の領域依存性に対する厳密な証明をつけることに取り組み、学術雑誌への投稿が可能な状態に論文をまとめることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の課題として残っていた問題を解決し、論文の投稿版を作成することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度考察したHelmholtz-Weyl分解の時間(領域)依存性の解析した結果について、他の問題設定への応用を目指す。
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Causes of Carryover |
当初参加を予定していた研究集会や研究打ち合わせの計画に変更が生じた。来年度以降、再度日程を調整し、研究打ち合わせや研究成果発表のための研究集会発表のために使用する。
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Research Products
(2 results)