2022 Fiscal Year Research-status Report
pラプラシアンの固有値問題と関連する楕円積分の研究
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22K03392
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹内 慎吾 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (00333021)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | pラプラシアン / 一般化三角関数 / 一般化ヤコビ楕円関数 / ウォリス型積分公式 / 倍角公式 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の本研究課題の研究成果は次の二つである(ともに大学院生との共同研究):①3パラメータの一般化ヤコビ楕円関数の性質、②一般化三角関数の曲線による特徴付け。 ①について述べる。まず、3つのパラメータをもつ一般化ヤコビ楕円関数がなす関数系が基底となる条件を与えた。これはフーリエ級数展開を想定した研究であり、一般化三角関数や2パラメータの一般化ヤコビ楕円関数に関する先行研究(Bushell-Edmunds (2012)、Takeuchi (2014))を含む成果を得た。さらに一般化ヤコビ楕円関数に関するウォリス型積分公式を開発した。三角関数および一般化三角関数に関するこの種の公式は明快でよく知られているが(Bushell-Edmunds (2012)、Kobayashi-Takeuchi (2019))、ヤコビ楕円関数に関する公式(Byrd-Friedman (1971))は漸化式で与えられておりそれほど明快なものではなくあまり知られていないと思われる。これを含む3パラメータのヤコビ楕円関数に対する公式をもう少し見通しの良い形で与えることができた。 ②について述べる。三角関数やレムニスケート関数については、二倍角公式を曲線の長さを用いて特徴付けることができることは古くから知られている。これに倣い、極方程式を用いて一般化三角関数および一般化円周率の曲線による特徴づけを行い、さらに一般化三角関数の倍角公式(Takeuchi (2016))に対して図形的な解釈を与えた。一般化三角関数に関するこのような図形的な考察は先行研究がないと思われる。 現在、3パラメータの一般化完全楕円積分(一般化ヤコビ楕円関数の1/4周期)に関するルジャンドル型関係式について見通しの良い証明を考えており、それが完成したら①の内容と合わせて論文にまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
言い訳になるが、学内業務に思いのほか時間を取られ、また研究室の学生数も例年より極端に多く指導に時間を取られたため、研究時間を十分に取れなかったことが主な原因だと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、3パラメータの一般化完全楕円積分(一般化ヤコビ楕円関数の1/4周期)に関するルジャンドル型関係式について見通しの良い証明を考えており、それが完成したら①の内容と合わせて論文にまとめる予定である。また、一般化三角関数はpラプラシアンの固有関数である。これまで一般化三角関数の性質を主に研究してきたが、そろそろpラプラシアンを含む微分方程式への応用を考えたいと思う。
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Causes of Carryover |
年度末に書籍を購入するために1万円弱をとっておいたが、注文しても年度内に納品される保証がなかったため結局買わなかった。翌年度に購入する。
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