2023 Fiscal Year Research-status Report
pラプラシアンの固有値問題と関連する楕円積分の研究
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22K03392
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹内 慎吾 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (00333021)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | pラプラシアン / 一般化三角関数 / 一般化ヤコビ楕円関数 / ウォリス型積分公式 / ルジャンドル関係式 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の本研究課題の研究成果は以下の通りである:①一般化されたJacobi楕円関数のWallis積分公式の構築、②3パラメータの一般化完全楕円積分に関するLegendre関係式の導出、③一般化三角関数に関するEdmunds-Langによる不等式の拡張、④Kirchhoff型方程式のT.Shibataによる結果の一般化。 以下、それぞれについて詳細を述べる。 ①古典的なJacobi楕円関数に関するWallis積分公式は、漸化式で与えられたものが知られている(例えば竹内端三の『楕円関数論』p.86)。これを一般化三角関数の積分公式(Kobayashi-Takeuchi(2019))も含む形で一般化されたJacobi楕円関数にまで、漸化式だけでなく一般項による表示にまで拡張した。また、Appellの超幾何級数を用いると、一般化ヤコビ楕円関数の原始関数も表現できることが示された。②3パラメータの一般化完全楕円積分に関するLegendre関係式はTakeuchi(2016)によって得られているが、これが一般化完全楕円積分に関係するある種の二つの関数のロンスキアンが定数であることとして特徴づけられた。③Edmunds-Lang(2023)は、Lieb等(2021)によって得られたある種の不等式に着目し、1パラメータの一般化三角関数が満たす非自明な不等式を導いた。この不等式を3パラメータの一般化Jacobi楕円関数まで拡張し、さらに等号が成り立つ場合を精密に調べた。④T.Shibata(2023)によるKirchhoff型方程式に関する分岐問題をpラプラシアンに対して拡張し、同時に結果を一般化三角関数や一般化円周率を用いることで見通しよく表現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成果はあるが、本の執筆に時間を取られ論文にまとめる時間が十分とれなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の本研究課題の研究成果である、①一般化されたJacobi楕円関数のWallis積分公式の構築、②3パラメータの一般化完全楕円積分に関するLegendre関係式の導出、③一般化三角関数に関するEdmunds-Langによる不等式の拡張、はすべて3パラメータの一般化ヤコビ楕円関数(とその周期である完全楕円積分)に関する成果である。これをまとめた論文を執筆中である。また、一般化三角関数や一般化Jacobi楕円関数の微分方程式に対する応用に力を注いでいきたい。
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Causes of Carryover |
もう1回出張に行く予定だったが諸事情でキャンセルした。2024年度に回したいと思う。
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