2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K03402
|
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
篠原 雅史 滋賀大学, 教育学系, 准教授 (70432903)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 庄 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 総合教育学群, 准教授 (30710206)
野崎 寛 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80632778)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 極値組合せ論 / 代数的組合せ論 / 点の配置問題 / 距離集合 / 擬ユークリッド空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
d 次元ユークリッド空間 R^d 上の有限部分集合が k-距離集合であるとは,その相異なる二点間の距離がちょうど k 種類現れるときをいう.距離行列 D が与えられたとき,D を距離行列としてもつ点配置が R^d に実現可能かどうかは,D に付随する行列の半正定値性とランクによって判定できる.半正定値性の部分を符号数に変えることで,擬ユークリッド空間 R^{p,q} においても,距離集合の対応物を考えることができる.代表者と分担者により,擬ユークリッド空間 R^{p,q} 版の2-距離集合(2-indefinite-distance set)について次の結果を得た. (1)p, q が小さいところでの最良な点配置の分類を行った.また,いくつかの次元では最良となる,よい無限系列を構成した.この結果については現在投稿中である. (2)擬ユークリッド空間 R^{p,q} において,ハミンググラフやジョンソングラフからスイッチング操作によって得られるグラフに対する最小埋め込み次元について考察した.この結果については、現在投稿準備中である.
相異なる 2 点間の距離の値が整数である点配置について,Blokuhis(1984) は素数 p を法とした距離の値がちょうど s 個となるときの頂点数の上界を得た(mod p bound).分担者の野崎氏は Blokuhis の mod p bound を任意の代数体の整数環とその素イデアルに拡張した.この結果をまとめた論文(Bounds for sets with few distances distinct modulo a prime ideal)は Algebraic Combinatorics に掲載された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来計画していたものはユークリッド空間における距離集合に対するものであったが,距離行列ベースで考察する際,擬ユークリッド空間に広げて考えることで自然な構造が見えてくることもあり,本研究テーマに関する一つの手法を得たことになる. また,Blokuhis の mod p bound の拡張により,よい距離集合に現れる距離に関する代数的性質が明らかになってくることが期待される.
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)擬ユークリッド空間に対して ユークリッド空間に関する結果を、擬ユークリッド空間に拡張したことで、階層構造として一段階上から点配置を捉えることができる.特に,よい距離集合に対し,頂点を付加して成長させる過程について知ることが可能になると考えている.点の付加による埋め込み次元の変化について,状況をより明確につかみたい.
(2)平面上の距離集合に対して 頂点数に対し距離の種類が十分小さい点配置に対する距離の性質について解明する糸口を見つけたい.一方で,自乗比が有理数となる点配置の特徴づけや分類を行う.まずは,ある程度よい部分構造を含むことを前提としたところからはじめる.
|
Causes of Carryover |
いくつかの研究集会がオンラインになったため、旅費に充てる予定だった分が少し残った。次年度は積極的に海外での活動を行う予定である。
|
Research Products
(8 results)