2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of quantum chaos on sequences of growing graphs
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22K03405
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
齋藤 正顕 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 教授 (90525164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 武博 滋賀大学, 教育学系, 教授 (80409614)
西郷 甲矢人 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (80615154)
杉山 真吾 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (70821817)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Berry予想 / グラフの増大列 / ベッセル関数 / 格子 / 連続極限 / テータ関数 / 線形符号 / 熱方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は次の結果を得た。(1)格子上のベッセル関数の和に関するKarlsson-Neuhauser(2006), Chinta-Jorgenson-Karlsson(2010)の等式を指標付きの等式に拡張した。(2)我々の等式の連続極限(空間と時間に関する極限)をとると、指標付きのテータ関数(例えば、Dedekindのエータ関数)の変換公式が得られるという意味で、指標付きテータ関数の離散類似を得た。(3)「剰余環上の線形符号から定義される格子のテータ関数が、アルファベットに対応するテータ関数で表され、アルファベットに対応するテータ関数はcomplete weight enumerator(cwe)に関する MacWilliams の恒等式を満たす」ということの離散的類似(テータ関数をベッセル関数の和で置き換えた定理)を得た。(4)一般の格子上のラプラシアンに関する連続時間の熱方程式が、有界関数を初期条件としてもつとき、一意解を持つことを証明した。また、解は一般化されたベッセル関数と初期条件の畳み込みで表される。(5)(3)と(4)の系として、初期条件が線形符号で与えられる Z^n 上の熱方程式の解を明示的に得た。この場合、熱の分布は「符号の重さ分布多項式」(cwe)で表される。(6)Dedekindのエータ関数の離散類似のベッセル関数の和について、熱方程式の解としての解釈を与えた。結果は次の論文としてまとめ、投稿中である:T. Hasegawa, H. Saigo, S. Saito and S. Sugiyama, Lattice sums of I-Bessel functions, theta functions, linear codes and heat equations, http://arxiv.org/abs/2311.06489
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、主に離散トーラスの増大列(より一般に、格子とその極限)について、熱方程式の解の挙動を調べた。これは本研究の枠組みの中では、カオス的現象が起こらない場合と考えられるが、格子上のベッセル関数の和はテータ関数と類似の性質をもつというKarlsson-Neuhauser(2006), Chinta-Jorgenson-Karlsson(2010)の結果を一般化することができた。本件については、九州大学の研究集会で部分的な結果を報告することができた。また、量子カオス的現象がを起こると考えられている正則木に収束するようなグラフの増大列についても対応するベッセル関数の和を考察する必要があると考えられる点で、今年度得られた結果は本研究課題の進展につながるものである。また関連して1次元3状態の量子ウォークについても応用物理学会で報告することができた。以上の観点から研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
正則木に収束するような正則グラフの増大列について、長さmのnon-backtracking closed path の個数N_m に関連する行列M_mの非自明な部分を表す行列a_mの成分の極限分布や自己相関について調べる。併せて隣接行列の固有関数との関連も調べる。増大列の固有関数を被覆グラフの観点から調べる。またa_mのトレースt_mと関連するグラフの位相的な指数や特殊関数の性質について更に検討する。関連して無限グラフ上の跡公式やゼータ関数を検討する。離散トーラスに関しては、今年度に得られた結果の発展として、線形符号の重さ分布多項式とテータ関数の関係について更に調べる。また格子上の場の理論との関連も検討する。また、ポテンシャルがついた格子上の熱方程式についても検討する。得られた結果を論文にまとめて投稿する。今年度得られたKarlsson-Neuhauser(2006), Chinta-Jorgenson-Karlsson(2010)の結果の拡張(離散的なテータ関数の指標付きの拡張)について、その積分変換で得られるラプラシアンのスペクトラルゼータ関数についても連続極限の対応などを調べる。
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Causes of Carryover |
年4回程度の分担者による対面での打合せを予定していたが、分担者の都合で2回だけの実施となったため旅費が未使用となった.次年度の使用計画は,(1)研究発表・研究打合せのための旅費,(2) 数値実験のための数式処理ソフトや計算機使用料,(3)執筆中の論文の英文校正やオープンアクセス料, (4)オンライン研究打合せ等に必要な研究環境整備(PC・タブレット等の購入やZoom契約料)により研究費を使い切る予定である.
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Research Products
(4 results)