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2023 Fiscal Year Research-status Report

Mathematical studies of morphogenesis models of cell populations by energy optimization and its development

Research Project

Project/Area Number 22K03426
Research InstitutionSALESIAN POLYTECHNIC

Principal Investigator

須志田 隆道  サレジオ工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00751158)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywordsフェーズフィールドモデル / バーテックスモデル / 数値シミュレーション / 並列分散処理 / 最適点配置問題
Outline of Annual Research Achievements

今年度は第一に、前田楓太氏(慶應義塾大学)との共同研究として進めている細胞性粘菌が形成するマウンドやショウジョウバエの卵などに見られる集団細胞運動を伴う多細胞組織の形態形成を理解するために構築した三次元フェーズフィールドモデルについて、これまでに導入したエネルギー汎関数と走化性の反応拡散方程式モデルを再検討し、昨年度に報告した成果と同様の数値シミュレーション結果が得られることを確認した。さらに、ショウジョウバエの複眼で観察されているような組織を覆う基底膜の変形に伴う個々の細胞変形を議論するためのフェーズフィールドモデルを構築し、組織伸展による力が与える細胞への影響を調査する研究を進めている。第二に、河西通氏(東京工業大学)との共同研究として進めているゼブラフィッシュの正中軸組織の伸長現象における集団細胞運動と細胞分裂の関係を説明するためのバーテックスモデルの研究では、notochord細胞とfloor plate細胞の相互作用を導入した正中軸組織の新しいモデルを構築した。さらに、ゼブラフィッシュの体節形成を解明するために、実験データ解析手法の構築とその解析を行い、三次元モデルを用いた検証を行った。最後に、階層的な構造を形成している網膜神経細胞群から本質的な機能を抽出した反応拡散方程式モデルの研究を行い、神経生理学分野の実験観察で報告されている神経節細胞の時空間受容野パターンが形成されるためには、抑制(制御)機能の応答速度(時定数)が重要であるということを示した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

多細胞組織の形態形成を理解するための三次元フェーズフィールドモデルに関しては、昨年度に導入したエネルギー関数と走化性の反応拡散方程式モデルの再検討を行い、これまでの成果を含めて、応用数理国際会議(ICIAM2023)にて報告した。多細胞組織を覆う基底膜の変形に伴う個々の細胞形状の変形シミュレーションに関しては、フェーズフィールドモデルを用いて、基底膜を伸展させるパラメータと個々の細胞における接着力のパラメータなど、現象を起こす主要因と考えられるパラメータの探索を行い、生体内で観察されている特徴的な幾何学的パターンがロバストに得られるための条件の導出を進めている。ゼブラフィッシュの正中軸組織の組織伸長を理解するためのバーテックスモデルに関しては、研究成果をまとめた論文を執筆した。ゼブラフィッシュの体節形成を理解するためのデータ解析および三次元モデルの検証に関しても、研究成果をまとめた論文を執筆し、現在投稿中である。網膜神経細胞を基盤とする反応拡散方程式モデルに関しては、得られた研究成果をまとめた論文が数理視覚系国際誌(JMIV)にて出版された。次に網膜神経細胞が発揮する効果の空間的な性質に着目したモデルを構築し、得られた成果をまとめた論文が現在査読中である。

Strategy for Future Research Activity

次年度は多細胞組織の形態形成に関するフェーズフィールドモデルの研究成果の論文執筆を行うための研究を推進する。特に、大規模なパラメータ探索が必要になることが想定されるため、GPGPUを用いるための数値計算アルゴリズムの実装や計算機群の増設などを行い、さらに高速な数値シミュレーションを実行する環境を整備する予定である。さらに、ショウジョウバエの後腸捻転現象を理解するための研究として、共同研究者の松野健治氏(大阪大学)と連携を図りながら、実験データ手法の開発とその解析および三次元バーテックスモデルの構築と数値シミュレーションによる検証までの一連の研究を推進し、成果をまとめた論文を執筆する予定である。

Causes of Carryover

2023年度は2024年度から研究代表者(須志田)の所属が変更になる関係で、研究費の大部分を研究室の移設費用に充てることとなった。さらに、本研究における成果報告の主要な国際会議である応用数理国際会議ICIAM2023が早稲田大学で開催されたこともあり、支出を抑えることができたが、次年度使用額を発生させる結果となった。2024年度は新しい研究環境の整備を考える必要があるため、次年度使用額を用いて計算機関係の物品購入に充てる予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Journal Article] Spatiotemporal Kernel of a Three-Component Differential Equation Model with Self-control Mechanism in Vision2023

    • Author(s)
      Kondo Shintaro、Mori Masaki、Sushida Takamichi
    • Journal Title

      Journal of Mathematical Imaging and Vision

      Volume: 65 Pages: 894~914

    • DOI

      10.1007/s10851-023-01151-0

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] A three-dimensional collective cell migration model by the phase-field method2023

    • Author(s)
      Futa Maeda、Takamichi Sushida
    • Organizer
      The 10th International Congress on Industrial and Applied Mathematics (ICIAM2023)
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Spatiotemporal integral kernel of a hierarchical differential equation model in vision and afterimage phenomena2023

    • Author(s)
      Shintaro Kondo、Masaki Mori、Takamichi Sushida
    • Organizer
      The 10th International Congress on Industrial and Applied Mathematics (ICIAM2023)
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2024-12-25  

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