2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K03432
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
及川 一誠 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (10637466)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2次元Poisson方程式のDirichlet境界値問題をモデル問題とし,HDG (Hybridizable Discontinuous Galerkin) 法の非重複領域分割法 (non-overlapping domain decomposition method) に基づく反復解法に関する研究を行った. 対象領域は重複のない2つのサブドメインに分割されているという比較的単純な状況を仮定した.非重複領域分割法では,サブドメイン間のインタフェース上で連続性に関するある条件を満たすように,それぞれのサブドメイン上でPoisson方程式を解くことが要求される.これを実現するために通常の有限要素法では,Dirichlet-Neumann交代アルゴリズムおよび Neumann-Neumann法,FETI (Finite Element Tearing and Interconnecting)法 (あるいは,Dirichlet-Dirichlet法) の3手法が有効であることが知られている.これらの3手法のアイデアに基づき,サブドメイン間のインターフェースにおいて数値トレースおよび数値流束を適切に導入することで,HDG法においても非重複領域分割法の反復解法が導出できることがわかった.有限要素法ではインターフェース上の厳密解の勾配は方程式の残差の形に書き直してから離散化を行う必要があったのに対し,提案手法ではそのような操作が必要ないという点で異なる.適合有限要素法と提案手法について数値計算を実施して比較したところ,提案手法は適合有限要素法と同様に良好な収束性を示すことが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
通常の有限要素法に対して,Dirichlet-Neumann交代アルゴリズムおよびNeumann-Neumann法,FETI法の3手法が有効であることはよく知られている.本年度は,これらの3手法がHDG法に応用できることがわかり,さらに数値実験でも良好な収束性が確認できた.これによりHDG法の非重複領域分割法の基礎的部分が確立された.よって,本研究は計画通り順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は対象領域を2つのサブドメインに分割するというシンプルな状況を考え, HDG法の反復型非重複領域分割法の研究を行った.今後は,より多くのサブドメインに分割されたより複雑な状況に対して,HDG法の反復解法の有効性について調査する予定である.
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Causes of Carryover |
当初計上していた出張旅費が計画変更により不要になったため次年度使用額が生じた.次年度における計算機の購入あるいは出張旅費に充当する予定である.
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