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2023 Fiscal Year Research-status Report

Studies on the Navier-Stokes equations by numerical methods

Research Project

Project/Area Number 22K03438
Research InstitutionGakushuin University

Principal Investigator

岡本 久  学習院大学, 理学部, 教授 (40143359)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords流体力学 / 非線形偏微分方程式
Outline of Annual Research Achievements

コルモゴロフ問題ではレイノルズ数が大きくてアスペクト比が小さい場合の数値実験を続けた。これまでの結果よりもより広範に数値実験を行い、解の安定性についても詳しいデータを得ることができた。レイノルズ数を大きくしてゆくと渦なしの流れに近づいてゆくのであるが、その近づき方が、外力のモードが奇数の時と偶数の時で違うことがわかっていた。しかし。その理論的背景はわかっていなかった。これに関し、モードについて群対称性が異なることに気づき、その対称性を使って、その違いを説明するというアイデアにたどり着いた。奇数の方が対称性が高く、渦なし流への収束も早い。レイノルズ数を無限大にし、アスペクト比をゼロにしたときに、いわゆる縮約系を発見した。これは元の2次元ナヴィエ・ストークス方程式よりも簡単であるが、それでもなお解析の困難な部分があり、現在その攻略法を検討中である。

Proudman-Johnson方程式についてはパラメータが1よりも大きいときに解の爆発が起きるという予想を解決すべく数値データの収集に努めた。その結果、境界条件を変えることによって解析がしやすくなる可能性が見えてきた。一方、これまでに行ってきた数値実験では精度が悪く、爆発のプロファイルを同定しづらい。より高精度な実験が必要と思う。
分数べきの放物型方程式の解の爆発については台湾の中山大学の卓建宏教授と共同研究を行っているが、ある一か所で、躓いており、そこの修正が容易でないため今は中断している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

コルモゴロフ流の漸近解析は韓国のChung-Ang大学のKim Sun-Chol教授とともに解析を続けている。群対称性と縮約系という二つの突破口は得たが、どちらもまだ困難が残っている。縮約方程式は流れ関数のフーリエ級数によってあらわされ、非局所的である。したがって、それから簡単な解を抽出することができていない。渦なしの部分はこの縮約系で理解可能であろう。ここでPrandtl--Bachelorの閉曲線理論を適用すると、より深い理解に到達できるであろう。
Proudman-Johnson 方程式の爆発についてはパラメータ a が1以上であるときの考察が多かった。 a < -3 の時はあまり考察されなかったが、これについても考察中である。ある種の境界値問題に解がないことを言えばよいのだが、何とかなりそうである。
分数べきの方は一か所うまくいかないところがあったが、これは理想を追求しすぎたという面があり、とりあえず、最適ではないが計算は進むというところで妥協すれば最小限の結果は出せるという目星がついた。また、分数べきのこれまでとは異なる離散化を思いつき、その数値計算の有効性を確認中である。2024年度中には論文にできるであろうと思っている。

Strategy for Future Research Activity

コルモゴロフ問題では渦なしの部分について考察を深めてきたが、ごく狭い領域に集中する高渦度流れについてはわかっていなかった。ここをどうするか、それを何とかしないと特異摂動理論は完成しない。縮約系についてはまだ計算に着手していないが、2024年の秋までには数値実験を始める予定である。これができれば、「そもそもレイノルズ数が巨大なところでどうして単純な流線が出現するのか」という根本的な原因がわかってくるのではないかと期待している。
Prandtl-Bachelorの閉曲線理論は今のところ数学の理論とはいいがたいところがあり、多くの都合の良い仮定をすることで結論を導くものである。これをもっと数学的にすっきりしたものにしたいと思っている。
分数べきの放物型方程式の差分近似については解の誤差評価さえうまくいけばよいのであるが、そこを解決すれば論文として発表できる段階にある。ここは少々力業でも不等式を導くことにした。一方で、そもそも分数べきをどう離散化するのが効率が良いのかあまり深く考察されてこなかったことにも気づいた。スペクトル法を使って離散すればできるが、本当にそれが最適なものなのかどうか、比較検討する仕事が残っていると思う。

Causes of Carryover

昨年の国際会議ICIAM2023においてミニシンポジウムを二つ開催する予定でいたが、そのうち大きい方は参加予定者の都合で、キャンセルとなり、小さい方もコロナを心配する人が多く、規模をより縮小することになった。代わりに2024年に中国のマカオで開催されるミニシンポジウムで研究成果の発表等を行う予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 Other

All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Funded Workshop (1 results)

  • [Int'l Joint Research] Chung-Ang University(韓国)

    • Country Name
      KOREA (REP. OF KOREA)
    • Counterpart Institution
      Chung-Ang University
  • [Int'l Joint Research] 中山大学(中国)

    • Country Name
      CHINA
    • Counterpart Institution
      中山大学
  • [Journal Article] Stationary flows with highly localized vorticity of the incompressible viscous fluid at large Reynolds numbers2023

    • Author(s)
      Kim Sun-Chul、Okamoto Hisashi
    • Journal Title

      Applied Mathematics Letters

      Volume: 137 Pages: 108500~108500

    • DOI

      10.1016/j.aml.2022.108500

  • [Presentation] Curiously simple flows of incompressible fluid at high Reynolds numbers2023

    • Author(s)
      Hisashi Okamoto
    • Organizer
      Jeju conference on Nonlinear PDEs
    • Invited
  • [Funded Workshop] Mini-symposium on Nonlinear PDEs and their Applications2023

URL: 

Published: 2024-12-25  

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