2023 Fiscal Year Research-status Report
可積分系理論を基盤とした革新的な数理技術の開発・深化と応用
Project/Area Number |
22K03441
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
丸野 健一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80380674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 泰広 神戸大学, 理学研究科, 教授 (10213745)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 応用可積分系 / 離散可積分系 / 構造保存型差分スキーム / 自己適合移動格子スキーム / ソリトン / 2次元ソリトンパターン / / 巨大波 / 遅延ソリトン方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
可積分系理論を基盤とした革新的な数理解析手法(数理技術)を開発及びそれらの手法をさらに深化させ、物理や工学における諸問題に応用することを目的として研究を行った。具体的には、(1) 離散可積分系理論のさらなる深化と応用、(2) 巨大波の生成・発達機構の解明のための数理解析手法(数理技術)の開発と応用に関する研究を行った。 (1)においては、今年度は海外の研究者が多数訪問したこともあり、彼らとの議論により新たな研究も開始するなど研究は大きく進展した。以下に、得られた研究成果を簡単にまとめる。まず、自己適合移動格子スキームの研究を進めていく上で発案した感染症の数理モデルの解構造を保存する離散化に関する研究成果を論文にまとめ学術誌に出版した。また、前年度に得られた遅延ソリトン方程式の1つである遅延ロトカ・ボルテラ方程式の超離散化によって遅延箱玉系を導出し、ソリトンの相互作用や厳密解について詳しく調べ、その結果を論文にまとめ学術誌に出版した。また、離散可積分系において登場するABS格子の双線形方程式と厳密解について、これまでわかっていなかったAKP方程式との関係を明確にすることに成功し,結果に論文にまとめ学術誌に出版した。自己適合移動格子スキームについても引き続き研究を進めており、多成分短パルス型方程式に関する新たな成果を得て、それを国際会議で発表した。これに関しては、現在、論文を執筆中である。 (2)についても、2次元ソリトン方程式におけるソリトンの2次元的相互作用による振幅の増大や、ローグ波解についての研究を前年度から引き続き推進した。これらに関して得られた新たな研究成果を国際会議で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は論文三本を出版することができた。国内外の多くの学会・研究会に参加し、多くの研究者と議論することができ研究が順調に進んだ。また、夏にICIAM2023を開催したこともあり、海外からの多数の訪問者があったことで共同研究が進み、海外研究者と共著論文を出版することができた。当初の計画通り研究は進んでおり、次年度も研究成果を論文にまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は多くの国際会議が開催されるので、それらに参加し多くの研究者と情報交換、議論を行う予定である。また共同研究者が冬に1ヶ月滞在する予定であるので、共同研究を進めて研究成果を論文にまとめる予定である。特に、自己適合移動格子スキームと巨大波に関する研究をさらに推進し、研究成果を論文にまとめ出版する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は2度ヨーロッパの国際会議に参加したが、円安のさらなる進行や海外航空券の高騰により国際会議参加旅費が当初の予算では不足してしまうため、購入予定であったワークステーションの購入時期を次年度以降にずらすことで旅費の高騰に対応することにしたため次年度使用額が生じた。次年度使用額は、次年度に開催される国際会議参加のための旅費、ワークステーションの購入のために使用する予定である。
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