2022 Fiscal Year Research-status Report
多元素不規則系物質に対する機械学習分子動力学法を用いた熱伝導度計算法の開発と応用
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22K03454
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
島村 孝平 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 助教 (60772647)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 熱伝導度 / 分子動力学法 / 機械学習 / 多元素不規則系 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年次の目標は、機械学習原子間ポテンシャル(MLP)とGreen-Kubo(GK)公式に基づく熱伝導度計算に、データ駆動的アプローチを融合させ、多様な組成・構造を持つ物質に対しても熱伝導度計算を行えるように改善することである。データ駆動的アプローチとして、能動学習法等を用いて多様性の高い訓練データを獲得し効率的に学習する方法の整備を行った。また、目標の一つであった、原子論的機構調査のために部分熱伝導度を求める手法を提案した。熱流束は、MLPの訓練対象で無い「原子要素」によって構成される。このためにMLPの熱流束は、MLPの重みの初期値に依存して実は値が変わってしまう。合計の熱伝導度に対しては、少なくとも解析的には、この不定性の影響はないことがすでに先行研究で明らかになっている。しかしながら、部分的な熱伝導度、例えば、元素寄与や周波数空間における熱伝導度に大きな影響を与え、これらの値が定まらない問題が生じている。全熱伝導度は求められるものの、熱伝導度の起源を探索するためのより深い解析に支障が出ていた。そこで、MLPの訓練時に、重みの初期値に依って生じる余分な熱流束を削減するデータ駆動的アプローチを考案した。具体的には、訓練時に熱流束を定義し、それをMLPのコスト関数に正則化項として導入した。この正則化項は、熱流束を小さくするように機能する。これにより、重みの初期値依存性を削減し、部分熱伝導度の計算が行えることを確認した。全熱伝導度だけでなく、部分熱伝導度も解析対象にすることができ、熱伝導度起源のより深い探究が可能になると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、MLP+GK法による熱伝導度計算の整備を行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
GK公式に基づく手法に摂動分子動力学(pMD)法が在り、合計の熱伝導度だけでなく、部分熱伝導度を評価するために役立つ。pMD法には拡張性があり、最近では、原子毎の熱伝導度を評価する方法、または、フォノン解析法のように熱伝導度の周波数依存性の議論できる方法が提案されている。初年度で、MLPの重み依存性を除いて部分熱伝導度を見積もることのできる手法を作ることができた。MLPとpMD法を組み合わせて、研究実施計画通りにテスト系での検証と新規熱電材料の探索に進みたいと考えている。
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Research Products
(11 results)