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2022 Fiscal Year Research-status Report

対称性の拡張によるトポロジカル量子状態の制御

Research Project

Project/Area Number 22K03457
Research InstitutionToho University

Principal Investigator

河原林 透  東邦大学, 理学部, 教授 (90251488)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsトポロジカル状態 / カイラル対称性 / エッジ状態
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題では、対称性の拡張を利用したトポロジカル量子状態の新たな制御方法の確立を目指している。特に、高次元系やスピン自由度などの内部自由度を持った系への具体的な拡張を通して、光格子上の冷却原始系など、新たな実験系での実現性の高いシステムの提案を行うことを目標としている。
本年度は、まず、高次元系への拡張として、グラフェンの模型としてよく用いられる2次元蜂の巣格子模型のジグザグ端に現れるエッジ状態の拡張を行い、対称性の破れを制御することにより、エッジ状態の性質をどのように制御可能なのかを明らかにした。具体的には、ジグザク端のエッジ状態の局在長は、対称性を破る質量項の大きさがある特定の臨界値に達すると、エッジに沿った方向の平面波解の波数に無関係に発散することなどを示すことができた。また、グラフェンナノリボンように、幅が有限の系においても、反対側のエッジの構造を工夫することにより、トポロジカルなエッジ状態を厳密な固有状態として実現できることも示すことができた。そうした系では、質量項の値が臨界値を超えると、エッジ状態が反対側のエッジに局在するようになるが、そうした点についても具体的な数値計算に基づき確認することができた。
こうした成果は、低温に関する国際会議(the 29th International Conference on Low Temperature Physics)で発表するとともに、会議のプロシーディングスとして、国際学術雑誌(JPS Conference Proceedings)に掲載が決定している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

高次元への拡張の1例として、2次元蜂の巣格子におけるエッジ状態の拡張と制御の可能性を明らかにすることができた。また、その成果を国際会議で発表するとともに、会議のプロシーディングスではあるが、原著論文としてまとめ、国際学術雑誌(JPS Conference Proceedings)に掲載が決定した。こうした結果は、3次元以上の系や内部自由度を持つ系への拡張に有益な情報を含んでおり、更なる進展が見込まれるため。

Strategy for Future Research Activity

今後は、スピン自由度のような、内部自由度を利用したエッジ状態の拡張を行い、その制御性を明らかにし、従来よりも制御しやすいシステムの提案に繋げたいと考えている。

Causes of Carryover

夏までのコロナ感染症の拡大もあり、国際会議等の参加もかなりの制限を受けたため、旅費等をコロナ収束が見込める次年度に有効に活用するために、繰越を行った。従って、主に、研究成果発表、および研究打ち合わせの旅費としての使用を予定している。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Mass-controlled Topological Edge States in Two Dimensions2023

    • Author(s)
      T. Kawarabayashi and Y. Hatsugai
    • Journal Title

      JPS Conference Proceedings

      Volume: - Pages: -

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 異方性を持つカゴメ格子上の XXZ 模型における3量子ビット W 相のトポロジカルな性質2023

    • Author(s)
      青柳克、初貝安弘、河原林透
    • Organizer
      日本物理学会2023年春季大会
  • [Presentation] Mass-Controlled Topological Edge States in Two Dimensions2022

    • Author(s)
      T. Kawarabayashi and Y. Hatsugai
    • Organizer
      the 29th international conference on Low Temperature Physics
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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