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2023 Fiscal Year Research-status Report

Experimental Study on Transport Phenomena of Spatiotemporal Chaos Using Nematic Electroconvection

Research Project

Project/Area Number 22K03469
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

日高 芳樹  九州大学, 工学研究院, 助教 (70274511)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords時空カオス / 弱い乱流 / 液晶電気対流 / ソフトモード乱流 / 欠陥乱流 / 乱流拡散 / 相関関数 / 記憶関数
Outline of Annual Research Achievements

液晶電気対流系の時空カオスの一種であるソフトモード乱流を対象に、空間構造の性質を明らかにした。ソフトモード乱流は粗視化すると局所的な対流ロールの向きが時間空間的に変化している。そこで、シャドウグラフ法によって観測された(オイラー的観点)流れ構造から画像解析によって局所的なロールの向きを抽出し、それについて空間相関関数と秩序変数を得た。とくに、流体の非線形性を変えるプラントル数に相当する実験パラメーターである印加電圧の周波数を変化させることによって、対流構造がどのように遷移するかを明らかにした。
ソフトモード乱流による乱流輸送現象に影響を与える、水平面内の対流ロールの運動を、粒子画像流速測定法を流れ構造の画像に応用することによって観測した。対流系では、鉛直方向の輸送が系の非平衡パラメーターに対してスケーリング関係をもつことはわかっていたが、今回、水平面内の対流ロールの運動に対しても、速度の平均と分散が同様のスケーリング関係をもつことを明らかにした。
昨年度に引き続き、液晶電気対流の時空カオスの1つである欠陥乱流による拡散の性質の機構解明のために、振動対流系の理論モデルの数値計算を行った。昨年度の粗視化拡散係数に続き、相対拡散係数とリアプノフ数を用いて、その拡散の主に局所的な性質を明らかにした。
昨年度は、ソフトモード乱流に混入した微粒子の拡散(非熱的ブラウン運動)の測定(ラグランジュ的観点)に対して、ランジュバン方程式を仮定することによって、易動度の外力依存性を考察した。しかしながら、時空カオスのように空間構造をもつ系においては、摩擦係数を記憶関数に置き換えた、一般化ランジュバン方程式を適用するべきと考えられる。そこでまず、微粒子の位置座標データから速度相関関数を得て、さらに相関関数から記憶関数を得る手法を開発し、実際に記憶関数を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実施計画に記したことは概ね取り組むことができている。また、昨年度の「今後の研究の推進方策」に記した「PIVによる水平面内の対流ロールの運動の観測」「時空カオスに混入した微粒子の拡散(非熱的ブラウン運動)の測定(ラグランジュ的観点)に対して記憶関数を得る手法の開発」も取り組むことができた。
以上のことから、本研究課題はおおむね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

ソフトモード乱流の発生に大きく寄与する南部-ゴールドストーン・モードを磁場によって抑えると乱流拡散の性質が大きく変わることが、非熱的ブラウン運動に対する粗視化拡散係数で明らかにされている。そこで、「PIVによる水平面内の対流ロールの運動の観測」を、磁場によって南部-ゴールドストーン・モードを抑えることによって行い、この運動がどのように影響されるかを明らかにする。
非熱的ブラウン運動の記憶関数を得る手法を開発したが、実験的に不充分な点があるので、その点を改良して、記憶関数から時空カオスの性質の詳細を明らかにする。
昨年度作成した液晶電気対流の準1次元系で生じる時空カオスである、角度偏向振動の理論モデルに対して、振動対流系で行った粗視化拡散係数、相対拡散係数、リアプノフ数の解析を行い、より現実的な時空カオスの拡散の性質を明らかにする。
時空カオス(弱い乱流)から発達乱流へ遷移する過程で、時空構造がどのような変化を示すかを、空間構造の相関関数や、非熱的ブラウン運動の粗視化拡散係数や記憶関数を用いて明らかにする。とくに、多様な時空カオスから普遍的な発達乱流へどのように遷移するかを明らかにする。

  • Research Products

    (9 results)

All 2023 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (8 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] Universitas Gadjah Mada(インドネシア)

    • Country Name
      INDONESIA
    • Counterpart Institution
      Universitas Gadjah Mada
  • [Presentation] 弱い乱流のダイナミクスにおける転移2023

    • Author(s)
      田辺蒼龍, 岩木雅浩, 河野真也, 岡部弘高, 石田謙司, 日高芳樹
    • Organizer
      西日本非線形科学研究会2023
  • [Presentation] 対流ロールの振動系に対する粗視化拡散係数2023

    • Author(s)
      三谷雅, 河野真也, 岡部弘高, 石田謙司, 日高芳樹
    • Organizer
      西日本非線形科学研究会2023
  • [Presentation] 非一様乱流場における粒子輸送研究2023

    • Author(s)
      村松健人, 永岡賢一, 仲田資季, 日高芳樹, 吉村信次, 寺坂健一郎
    • Organizer
      日本物理学会第78回年次大会(2023年)
  • [Presentation] 少数モードの相互作用により生じる弱い乱流の ダイナミクスにおける転移2023

    • Author(s)
      田辺蒼龍, 岩木雅浩, 河野真也, 岡部弘高, 石田謙司, 日高芳樹
    • Organizer
      日本物理学会第78回年次大会(2023年)
  • [Presentation] 弱い乱流の空間相関関数2023

    • Author(s)
      岩木雅浩, 河野真也, 岡部弘高, 石田謙司, 日高芳樹
    • Organizer
      日本物理学会第78回年次大会(2023年)
  • [Presentation] Lagrangianカオスの粗視化拡散係数2023

    • Author(s)
      三谷雅, 河野真也, 岡部弘高, 石田謙司, 日高芳樹
    • Organizer
      日本物理学会第78回年次大会(2023年)
  • [Presentation] 弱い乱流とその輸送現象2023

    • Author(s)
      日高芳樹
    • Organizer
      名古屋工業学大学院工学専攻特別講義「非平衡系物理学の最前線」
    • Invited
  • [Presentation] Lagrangianカオスによる乱流拡散2023

    • Author(s)
      三谷雅, 河野真也, 岡部弘高, 石田謙司, 日高芳樹
    • Organizer
      第129回日本物理学会九州支部例会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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