2023 Fiscal Year Research-status Report
Unveiling cooperative effects of hydrogen bonding on the interfacial tension of dilute electrolyte liquids
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22K03546
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
芝 隼人 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 准教授 (20549563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植松 祐輝 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (30830111)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 界面張力 / 電解質液体 / ツリー法 / 全原子計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の芝は、ひきつづき水型液体のスケーラブル並列コードを開発を続けている。ツリー法による計算に際しての見込み角など実行パラメターの調整を進め、実際の適用に一定の目処を立てることができた。また、マルチウォーク法を利用することによるGPUの利用の実装を実施した結果、良好な計算速度の加速を得ることができた。ただし、後述する通り研究計画の中心となっているシミュレーションでの界面張力そのものの測定は遅れている現状である。 研究分担者の植松は、百科事典"Encyclopedia of Solid-Liquid Interfaces (Elsevier, 2024)" に疎水性界面におけるイオン吸着現象とゼータ電位の概念について、説明するチャプターを依頼により執筆した。本チャプターの趣旨としているところは、固体/水、液体/水、気体/水の界面に対して界面化学分野では同じような概念が流用されているが、実際のところはその信頼性は、界面の種類が変われば大きく変わるものであり、将来の実験の深化とデータの充実、そして理論的検討に大きく開かれているテーマであるということを説明する記事となっている。また、昨年度に計画していた自動ステージの制御プログラムにより、実際に純水の表面張力測定を温度制御下で行い、同一サンプルの1回の計測で、0.01mN/m以下の精度で表面張力を決めることに成功した。この成果は研究会発表を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者は、2023年度に現職への異動した。新たな授業科目を一斉に担当することになったことから、今回課題のためのコード開発を行うためのまとまった時間を確保することに困難があり、シミュレーション部分については、想定した進捗を達成することができていない。 一方、研究分担者が進めている界面張力実験については、実験系の構築など想定通りのペースで進められており、成果は順調に創出されている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、研究代表者が現職に着任してから1年が経ったことにより学内的に研究代表者の負荷が大幅に低下しているため、界面張力計算をLAMMPSおよびFDPS双方をプラットフォームとする形で両面で進め、両者の結果比較を通じて信頼性を担保した研究の推進に努める予定である。また、異動の事情があったことに鑑み、補助事業期間は延長を願い出る予定である。 研究分担者は、現状順調に装置構築を進めることができており希薄の塩を添加した電解液系の張力測定を行っていく。 シミュレーションの研究と実験とで協調した研究展開のため、今後、両者の研究議論のための訪問を強化していく。
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Causes of Carryover |
研究代表者が異動初年度であることにより用務負担が多く、発表に要する日もくの執行が遅滞している状況である。次年度、および1年の延長事業期間において、成果の発表等を行っていく予定である。
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Research Products
(2 results)