2022 Fiscal Year Research-status Report
Demonstration of Laser Plasma Electromagnetic Induced Transparency Phenomena and its Applications
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22K03565
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
湯上 登 宇都宮大学, 工学部, 教授 (60220521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 崇光 宇都宮大学, 工学部, 助教 (30815709)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | レーザー生成プラズマ / テラヘルツ / 電磁波発生 / レーザー航跡場 / 電子プラズマ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
高強度超短パルスレーザーであるチタンサファイアレーザーをガス中に集光照射するとガスは瞬時にプラズマ化し,プラズマからコーン状にテラヘルツ領域の電磁波が発生する.このようなレーザー生成プラズマからのテラヘルツ電磁波放射機構に対して,外部から静電場を縦方向および横方向に印加し,さらに横方向であり周期的な静電場を印加,さらには横方向に静磁場を印加するなど,様々なバリエーションの実験が研究代表者によって行われ成果をあげている. このようなバックグラウンドをもつ研究代表者が,量子効果の一つである電磁誘導透過(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象を電磁気学的解釈によりプラズマを用いて実験的に検証し,その応用として「イオン波領域の高出力テラヘルツ波の発生を実現することを目的としている.EITとは本来伝搬しない電磁波が干渉効果によって伝搬することができる現象であり,1990年代に量子効果の一つとして理論的に提案され,ガスや固体を用いて実験的にも確認された.プラズマによるこの現象は本来プラズマ中を伝搬できないプラズマ周波数より周波数の低い電磁波が伝搬できるようになることで発現する.この現象の実験的検証を行うことを第一の目的とする.実験では高密度プラズマを用い,本来伝搬できない波としてテラヘルツ波を用いる.第二の目的は,EITの応用として,プラズマ内部に存在するイオン波の周波数領域にある波を高出力電磁波として外部に取り出す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究遂行のキーポイントは発生したテラヘルツ電磁波の計測である.計測には発生周波数の計測の他にその強度やパルス幅などの物理量も高精度に計測しなければないない.そのために,我々は階段状のミラー(エシェロンミラー)と電気光学効果(EO効果)を組み合わせたシングルショットテラヘルツ電磁波計測法(THz-TDS:THz Time Domain Spectroscopy)を開発し,実験に供する要諦である.昨年度(2022年度)はこの計測法の高度化と確立と主に行ってきた.その際に,計測画像が予定されている形から離れたものであったので,その原因の解明に時間を要したため,当初の予定より若干ではあるが,進捗が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究が当初の予定より少し遅れていることは上で述べた.年度末に原因は,計測に用いている亜鉛化テルル(ZnTe)の結晶にレーザー光による損傷のために当初考えられていた画像とかけ離れたものであることが判明した.今年度は新たに結晶を購入し,計測法の高度化を行い,遅れている研究を加速する予定である.
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Research Products
(2 results)