2022 Fiscal Year Research-status Report
情報量規準を用いた核融合プラズマデータの情報抽出とプラズマ物理との相補性
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22K03582
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
横山 雅之 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (60290920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 和平 統計数理研究所, 統計思考院, 特任助教 (20848650) [Withdrawn]
山口 裕之 核融合科学研究所, 研究部, 准教授 (90797101)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 核融合プラズマ / 情報量規準 / 重要変数 / プラズマ物理 / 相補性 |
Outline of Annual Research Achievements |
情報量規準を用いてデータからの情報抽出とプラズマ物理との相補性を検討する具体的な課題として、昨今、核融合研究への導入・実用化が進んでいるデータ同化によって生み出されるデータを対象とした研究を展開している。データ同化の過程で、初期モデルとして与えられる熱輸送モデルが修正を受けて、観測データへの当てはまりの良い、現実を記述する上で「妥当な」輸送モデルを得ることができる。ここで蓄積するモデル間の差異を物理パラメータで記述することで、物理モデリングの高度化や普遍化を図ることができると考え、イオンの熱輸送モデルに関してその試行を行ったところ、ギャップを埋める変数として、電子温度とイオン温度の比、さらに、イオン温度勾配が、赤池情報量規準によって重要変数として統計的に選び出された。これらの変数は、データ同化に用いた初期の熱輸送モデルには現れていない変数であるが、プラズマ乱流を駆動する微視的不安定性に寄与するものである。このように、すでに、情報量規準によって、データから重要な情報を抽出し、それら変数の物理との関連を探ることができる事例を生み出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特定のデータベースではあるが、情報量規準を活用した情報抽出によって、背景となる物理との関連を探ることができる事例を生み出している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに得られている事例に関して、パラメータ空間の拡大によって、さらに多変数における情報量規準適用を可能とすること、および、重要変数として抽出された変数のプラズマ物理との関連をより詳細に検討していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の継続により外国出張を見合わせたため、旅費使用額が減少したため、次年度使用が生じた。2023年度分として請求した助成金とともに、成果発信および、統計数理分野も含めた研究打ち合わせなどに使用する計画である。
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