2023 Fiscal Year Research-status Report
Selective inactivation of cancer cells by oxygen plasma activated microbubbles
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22K03589
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
本橋 健次 東洋大学, 理工学部, 教授 (50251583)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大気圧プラズマ / マイクロバブル / 活性酸素 / がん細胞 / 選択的不活化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大気圧プラズマを点滴液に照射することにより活性酸素種を発生させ,その活性酸素種を閉じ込めた「活性酸素マイクロバブル点滴液」をがん細胞と正常細胞に添加した際の不活化効率を調べることを目的としている。がん細胞は正常細胞より活発に糖代謝するため酸素消費量も多く,その結果,活性酸素に対する不活化効果も高いことが期待される。不活化効率を定量的に表す物理量として,細胞生存率がプラズマ照射時間に対して指数関数的に減少する際の時定数の逆数をプラズマ感受性と定義した。そして,正常細胞のプラズマ感受性に対するがん細胞のそれをがん細胞不活化増強比と定義し,これをがん細胞の選択的不活化の指標と定義した。このがん細胞不活化増強比を20以上とするようなプラズマ活性化マイクロバブルを含む点滴液を作成することを本研究の最終目標とした。すなわち,正常細胞に比べてがん細胞を1/20のプラズマ照射時間で不活化するような,活性酸素封入マイクロバブル点滴液を作成することを最終目標とした。 2023年度は,He酸素混合ガスを流したガラス管内に12kV・10kHz の交流電圧を印加した誘電体バリア放電により大気圧プラズマを発生させ,下流に設置したベンチュリノズルによりウルトラファインバブル(UFB)に閉じ込めると共に,ベーンポンプを使用して液体を循環させることで気泡の濃度を高める装置を開発した。予備実験において,350mLの乳酸リンゲル液をこの装置で5~25分間処理したところ,300~500nmのUFBの生成が確認された。しかし,そのプラズママイクロバブル点滴液を皮膚がん細胞と肺がん細胞に添加したところ,添加しない場合と比べて生存率に大きな違いは見られなかった。また,プラズマ発生時間を変えてもその傾向は変わらなかった。これらの結果は2024年第71回応用物理学会春季学術講演会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プラズマ活性酸素を閉じ込めた直径1マイクロメートル以下のウルトラファインバブルを作成することには概ね成功したが,バブル量(密度)が少ない上,ベンチュリノズルの発熱により点滴液が変質してしまうため,がん細胞の選択的不活化を達成できなかったと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
点滴液中のバブル濃度を上昇させるためには,ガラス管内でのプラズマ発生ではなく,多数の穴あきセラミック板を挟んでプラズマを発生させる方法に変える必要があると考えられる。さらに,ベンチュリノズルの発熱を抑制するため,これを冷却しながらウルトラファインバブルを発生させる必要があると考えられる。
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Causes of Carryover |
実験上の問題により,期待していた成果が挙げられず,予定していた数の学会発表と論文発表に必要な旅費及び英文校正費を使用しなかったため。 次年度は問題点を解決した上で,研究成果を発表するための学会旅費に使用する予定である。
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