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2022 Fiscal Year Research-status Report

超弦理論およびM理論に基づく重力の量子効果の解明

Research Project

Project/Area Number 22K03613
Research InstitutionIbaraki University

Principal Investigator

百武 慶文  茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (70432466)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords量子重力理論 / M理論 / 超弦理論
Outline of Annual Research Achievements

量子重力理論の候補であるM理論において、量子重力の摂動効果を明らかにするための研究を行った。M理論は低エネルギーの極限で11次元超重力理論によって記述されるが、エネルギーが高くなるにつれて、量子重力の効果が重要になる。特に11次元超重力理論の最初の補正として、リーマンテンソルの4乗項が存在することはよく知られている。この補正項以外にも4階形式の場の強さFの8乗項やDF(Fの微分)の4乗項も存在することは分かっているが、その詳細は明らかになっていない。
今年度の研究ではDFの4乗項を明らかにするための研究を行った。研究ではM理論がもつ超対称性を活用して、DFの4乗項とその超対称項を制限することを目標としている。DFの4乗項として可能な組み合わせの数、その超対称項の数を具体的に数値ソフトmathematicaのコード用いて導出し、これらの項が超対称変換によってどのように制限されるかを調べた。当初想定していたよりも膨大な数の項が存在することが判明し、また11次元特有の項の間の恒等式の導出にも膨大な計算時間が必要であることも判明したため、当該年度はコードのスリム化に時間を費やしたが、現在では結果が出ており、論文を執筆する段階にある。今回作成したコードは今後Fの8乗項等の制限にも流用できるものであるため、今後の研究の基礎にもなった。
上記の研究と並行して、超弦理論間の双対性を利用して有効作用の制限をする研究も実施した。超弦理論をd次元トーラスでコンパクト化した際にはO(d,d)双対性と呼ばれる双対性が存在し、これらは量子重力による補正項を制限するうえでも近年盛んに活用されている。我々は補正項のうちのフェルミオンの2次の項を含む部分がどのように制限されるかについて研究を行い、成果の一部を日本物理学会春季大会で報告した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今回のプロジェクトは超弦理論が研究された初期段階から未解決の問題であり、非常に時間がかかるプロジェクトであることは分かっていた。また、初年度は補正項を正確に導出するコードの作成、超対称変換を実行して項の相殺を確認するコードの作成で時間がかかることも想定していた。今年度の研究においてコードの基礎となる部分は完成し、また次元に依存する恒等式の導出も時間はかかるものの数か月単位で実行できるレベルになってきた。これらを踏まえて、今年度の研究は順調であると判断する。

Strategy for Future Research Activity

まずはDFの4乗項についてはコードを用いて結果が出揃いつつあるので、これらの部分を論文としてまとめる予定である。また、コードの基礎部分は完成しているので、これを他の量子重力項の制限に順次応用していく。1つのタイプの項について数か月かかる場合があり、項のタイプとしては100項程度あるので時間が必要なのは明らかであるが、着実に成果は出せる状況になっている。

Causes of Carryover

2022年度は研究会がオンラインで開催されたため、旅費の支出が生じなかった。2023年度は研究会に現地で参加する予定で、その費用に充てる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 双対性によるグラヴィティーノを含む超弦理論の高階微分有効作用の制限2023

    • Author(s)
      百武慶文、前山聖登
    • Organizer
      日本物理学会春季大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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