2023 Fiscal Year Research-status Report
軽い新粒子が媒介する荷電レプトンフレーバーの破れとその起源
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22K03622
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
下村 崇 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (00447278)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レプトンフレーバーの破れ / 暗黒物質 / 軽い新粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ニュートリノの質量の起源を説明し得るLμ-Lτ対称性模型を考え、ミューオン加速器実験でのLμ-Lτゲージ粒子Z'の検証可能性を調べた。質量の起源となる暗黒ヒッグス粒子と共にZ'が生成される場合、終状態に複数のミュー粒子が現れる。それらミュー粒子のエネルギーを測定することでZ'と暗黒ヒッグスの質量を精度良く再構成できることを明らかにした。さらに、Lμ-Lτ対称性に加えてU(1)対称性が存在する場合、暗黒物質の残存量を説明しつつミュー粒子の異常磁気能率のズレも説明し得ることを明らかにした。さらに、当時存在したB中間子のレプトン崩壊の異常をも説明できることを明らかにした。 たまT2K実験において軽い新粒子の探索可能領域を明らかにした。T2K実験でニュートリノ生成のためのビーム衝突において制動放射と中間子崩壊から暗黒光子がどのくらい生成されうるかを計算し、前置検出機であるND280での暗黒光子崩壊数を評価した。さらに背景事象数も計算し暗黒光子の探索可能領域を明らかにした。これにより現在までのデータによってこれまで知られていなかったパラメーターの排除領域が存在することを明らかにした。さらに今後予定されているアップグレードによって新たなパラメーター領域が排除されることを示した。同様の解析をB-L対称性のゲージ粒子に対しても行い、将来実験によるパラメーターの排除領域を明らかにした。またB-L対称性のもとで右巻きニュートリノが暗黒物質になる可能性を調べ、freeze-in機構による残存量を計算した。これにより右巻きニュートリノ暗黒物質の可能性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レプトンフレーバーの破れの起源を調べるための準備として、フレーバーが保存している場合の検証可能性を明らかにした。今後はこれらの成果をもとにレプトンフレーバーの破れの起源の検証可能性を調べていく。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調べた研究をもとに複数のニュートリノ質量の起源を想定し、それによるレプトンフレーバーの破れが存在する場合に実験によってどこまで検証が可能かを調べていく。
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Causes of Carryover |
教員の退職により業務負担が増えたため、予定していた出張と国際会議に参加できなかったため。
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