2022 Fiscal Year Research-status Report
Reconstruction of amplitudes in sting theory and its applications - toward an understanding of entanglement and spacetime
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22K03625
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
関 穣慶 大阪公立大学, 数学研究所, 特別研究員 (60373320)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 閉弦の2点振幅 / mostly BRST exact演算子 / ゴースト数3の演算子 / 非弾性散乱におけるエンタングルメント |
Outline of Annual Research Achievements |
関-高橋はこれまでの研究で、ゴースト数1を持つmostly BRST exact演算子を導入することで、世界面であるディスクが持つPSL(2,R)ゲージ対称性の一部を固定し、開弦のtreeレベル2点振幅を求めた。そこで、本年度は、この演算子を用いて、開弦の1-loop 2点振幅を考えた。1-loopの場合の世界面であるシリンダーには、ディスクと異なり、Z_2対称性と並進対称性がある。我々は、mostly BRST exact演算子を挿入することにより、これらの対称性を固定し、2点振幅を計算した。その結果は、従来の方法で計算した開弦1-loop 2点振幅と、符号因子を除いて、一致した。これは、mostly BRST exact演算子が、開弦の新しいゲージ固定法として、1-loopレベルでも有用であることを示している。 閉弦においてtreeレベル2点振幅を導出しようとすると、PSL(2,Z)ゲージ固定のために、mostly BRST exact演算子の他に、ゴースト数3の演算子が必要になる。このゴースト数3の演算子は、レベルマッチング条件を満たさないが、本研究によって、Fadeev-Popovの方法で、必ずしもその条件が必要ではないことを示した。さらに、閉弦のゲージ固定のために、ゴースト数2の演算子も新しく定義した。これを用いることによって、1個の閉弦タキオンと2個の開弦タキオンからなる振幅を求めた。その結果は、符号因子を除いて、従来のゲージ固定法による結果と一致した。 エンタングルメントに関する研究として、Peschanski氏(IPhT, CEA-Saclay, フランス)と、非弾性散乱における終状態2粒子のエンタングルメント・エントロピーの定式化も試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開弦の1-loop振幅と、ゴースト数3の演算子を含む新しいゲージ固定法による振幅の計算方法の開発は、概ね完成しており、数ヶ月以内には論文として発表されると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
我々が開発した新しいゲージ固定法を用いて、一般のn点振幅を求められるかを証明することが必要である。また、この手法を応用して、0点や1点振幅について考えたい。 同時に、散乱によるエンタングルメントについて、これらの知見をもとに、粒子散乱と弦の散乱の両方で調べていきたい。
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Causes of Carryover |
本年度は、航空券の高騰により、旅費が予算を超えたので、物品の購入を見送った。これによって生じた次年度使用額は、必要に応じて物品を購入することと、本年度に得られた研究成果の発表に充てたい。
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Research Products
(5 results)