2023 Fiscal Year Research-status Report
Reconstruction of amplitudes in sting theory and its applications - toward an understanding of entanglement and spacetime
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22K03625
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
関 穣慶 大阪公立大学, 数学研究所, 特別研究員 (60373320)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 閉弦の2点振幅 / ゴースト数 / ディラトン頂点演算子 / 非弾性散乱 / エンタングルメント・エントロピー |
Outline of Annual Research Achievements |
BRST演算子形式によるボソン的開弦のtree-level 2点振幅の導出については、2019年に関-高橋によって解決されたが、閉弦の2点振幅については、長らく懸案であった。しかしながら、この度、岸本-関-高橋は、ボソン的閉弦のtree-level 2点振幅を、BRST形式による相関関数で書き表すことに成功した。BRST形式を用いることで、Lorenz不変性と共形不変性が明らかにすることができている。この閉弦2点振幅の導出は、mostly BRST exact 演算子(これは、開弦2点振幅の導出で用いられたものの応用である)に加えて、ゴースト数3の閉弦頂点演算子を用いることで、実現されている。 岸本-甲賀-関-高橋は、Faddeev-Popovによる共形キリング群のゲージ固定法を用い、上記のゴースト数3の演算子を含む、様々なゴースト数の演算子をmatter primary場から生成した。また、これらの演算子が、BRST形式の枠組みで、降下方程式の解となっていることを見つけた。そこで、Lorenz共変な形で、ディラトン頂点演算子に関する降下方程式の解を構成した。こうして得られたゴースト数3を持つディラトン頂点演算子を使って、ディスク上のtadpole振幅を正しく導くことを確認できた。 Peschanki-関は、高エネルギー散乱における散乱後2粒子に着目し、それらのエンタングルメント・エントロピーを考えてきた。この散乱には、弾性散乱と非弾性散乱があり、以前にPeschanki-関 (2016)は、弾性散乱でのエンタングルメント・エントロピーの定式化に成功した。この度は、非弾性散乱に重点を置き、Bialas-Van Hove (1965)による、S行列理論に基づいた、非弾性散乱を含む散乱振幅や散乱断面積の導出法を応用し、非弾性散乱の場合のエンタングルメント・エントロピーが散乱断面積と関係付けられることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
閉弦の振幅について、多様なゴースト数を持つ頂点演算子を、降下方程式を通して、系統的に理解する枠組みを作ることができた。また、非弾性散乱のエンタングルメント・エントロピーについて、Peschanski氏との共同研究によって、その定式化を概ね完成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
弦の振幅については、降下方程式を用いて、さらに他のゴースト数を持つ頂点演算子を構成し、振幅の計算におけるその役割を理解したい。また、非弾性散乱のエンタングルメント・エントロピーについては、我々が定式化したエントロピーを、実際の実験結果を用いて具体的に評価したい。
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Causes of Carryover |
翌年度から他の研究機関へ異動するため、先方の状況を鑑みて、物品の購入を控えた。また、翌年度分の助成金と合わせて、共同研究を仕上げるためにPeschanski氏(フランス)を招聘することも考えたい。
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Research Products
(6 results)