2022 Fiscal Year Research-status Report
Exploring the fundamental particle model by searching for lepton flavor violating processes
Project/Area Number |
22K03638
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山中 真人 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 非常勤教員 (70585992)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | レプトンフレーバーの破れ / 深非弾性散乱 / 標準模型を超える素粒子模型 / ヒッグス粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はレプトンフレーバー非保存過程探索による根源的模型の検証・確立を目的としている。第3世代粒子と主に相互作用する模型がもたらすレプトンフレーバー非保存過程は、模型パラメーターと実験測定量を精度良い接続がまだ十分には整っておらず、本課題はこの打開に特に重きを置く。 現在、電子(またはミューオン)と核子の深非弾性散乱に注目し、研究を遂行している。第3世代粒子と主に相互作用する模型における深非弾性散乱は、終状態にトップクォークやボトムクォークが入った素過程を組み入れ、散乱断面積を定式化する必要がある。素過程の具体例を記すと、e+g --> \tau+b+bbarなどである。終状態エネルギー閾値に近いエネルギーの場合、この素過程で適切に断面積を記述できる。ところが、閾値を大きく上回るエネルギーの場合、この素過程断面積にはエネルギー増大に伴う発散量が現れる。この発散量を繰り込みながらトップやボトムのパートン分布関数は作られる。そこで、閾値を大きく上回るエネルギー領域では、このパートン分布関数と共に、e+b --> \tau+bといった素過程で深非弾性散乱を描写しなくてはならない。そして、エネルギーが閾値から近過ぎず遠過ぎずといった領域では、上述の両方の素過程を二重数えすることなく取り込まなくてはならない。 先行研究にて、フォトンを媒介粒子とし、レプトンフレーバーが保存する深非弾性散乱の断面積定式化において、上述の問題を解決すべくACOT処方という手法が考案された。今年度発表した論文(JHEP 04 (2022), 044)では、この手法を参考に、(擬)スカラー粒子を媒介粒子とし、レプトンフレーバーの破れを伴う深非弾性散乱の断面積定式化を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したように、今年度発表した論文において、第3世代クォークの生成を伴うレプトンフレーバー非保存深非弾性散乱の断面積定式化を行なった。さらに、同研究にて、終状態運動量分布や媒介粒子質量依存性などを丁寧に解析した。こういった成果により、レプトンフレーバー非保存深非弾性散乱の実験測定量から得られる根源的模型の情報量・精度が大きく向上した。
|
Strategy for Future Research Activity |
レプトンフレーバーの破れを伴う深非弾性散乱の測定量と、他のレプトンフレーバー非保存過程を繋ぎ合わせ、根源的模型のどのパラメーターをどこまでの精度で実証できるか調べ上げる。さらに、この実証精度の向上を狙い、新奇的レプトンフレーバー非保存過程(レプトンフレーバーの破れを伴うミューオン原子の放射性崩壊の定式化・実験測定量の検討を進める。現在、ミューオン-電子-フォトン-フォトンという有効演算子を用いて、本過程の反応率定式化を進めている。
|
Causes of Carryover |
自身のコロナ感染に伴う研究会講演取りやめ、及び、部品価格高騰に伴う計算機購入の延期などにより、研究費の使用計画に修正が生じた。取りやめた講演に代わり、2023年度、大規模国際会議(NuFact2023)における講演を予定している。また、部品価格の高騰が収まり次第、計算機の購入を進める。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] Quantum Science: The Frontier of Physics and Chemistry2022
Author(s)
D. Che, Y. Haga, M. Hedo, T. Kasai, V. K. Khersonsky, K. Lin, J. M. L. Martin, B. Muthiah, T. Nakama, M. Nakamura, T. Onishi, Y. Onuki, E. V. Orlenko, F. E. Orlenko, F. Palazzetti, J. Sato, R. Settai, Y. Takanishi, T. Takeuchi, P. Tsai, M. Yamanaka
Total Pages
522
Publisher
Springer
ISBN
9811944202